諫早出身直木賞候補の作家 垣根涼介さんの実家初公開

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 16日に発表される第160回直木賞の候補に挙がっている長崎県諫早市出身の作家、垣根涼介さんの実家「西山家武家屋敷」(白浜町)が13日、初めて公開された。約150年前に建てられた旧佐賀藩諫早領の最後の武家屋敷といわれ、垣根さんの創作の源流が感じられる風情をファンや近所の人たちが楽しんでいた。
 西山家は江戸時代、諫早領の「郷目付」を務めた。約5千平方メートルの広大な敷地に、内庭と外庭の石垣で囲まれた武家造りの母屋が建つ。垣根さんは県立諫早高を卒業するまで暮らしたという。
 13日、近くの楠公神社であった伝統行事「畳破り」に合わせて公開。同市在住のおば、北村皓子さん(84)と中村綾香さん(71)らがケヤキの大黒柱、座敷、スギ一枚張りの外廊下、刀掛けが残るトイレなど、質素な暮らしぶりを伝える母屋を案内した。
 見学した同市多良見町の鍬塚邦洋さん(65)は「深みと工夫が凝らされている。豊かな風土と歴史が垣根さんの作品の底流にあるのではないか」と話した。幼少時の垣根さんと4年間共に暮らした中村さんは「前回の直木賞はどきどきしたが、今回は本人が『厳しいかも』と話していた。冷静に待ちたい」と話した。

西山家に古くから伝わる調度品などを説明する中村さん(左)=諫早市白浜町