竹田市の農事組合法人「ふるぞの」 クヌギで木炭作り【大分県】

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炭窯から木炭を取り出す「ふるぞの」のメンバー=竹田市古園

 森林の荒廃防止につなげようと、竹田市古園の農事組合法人「ふるぞの」(渡部幸信組合長、18人)が木炭作りをしている。材料はかつてシイタケ栽培に使われていたクヌギ。売り上げはわずかだが、メンバー同士の結び付きを強め、地域を守る取り組みとして定着しつつある。

 現在28世帯の古園地区では最近までシイタケ栽培が盛んで、山には種駒を植えるほだ木用のクヌギが多く植えられていた。しかし、高齢化や後継者不足で放置され、生い茂った葉が近くの水田の日当たりを悪くするなど影響が出ていた。

 対策を考えていたところ「木炭にしたら」との声が上がり、2015年に2・5メートル四方の炭窯を設けた。地主の依頼で伐採したクヌギを長さ約80センチに切って内部に並べ、火入れをして出入り口をふさぐ。火を落として炭化を促し、2週間ほどで取り出す。天候を見ながら、春までに3、4回ほど繰り返す。

 今季初めての火入れは昨年12月29日にあった。約300本、総重量約1・2トン分を入れた。今月9日に取り出し作業があり、メンバーは少し熱が残った窯に入り、1本ずつ運び出した。

 木の断面にしっかりと割れ目が入り、表面の皮が崩れない程度がちょうど良く、「年々慣れてきて、品質が上がっている」と甲斐修さん(70)。菅恵次(えいじ)さん(69)は「みんなでおいしい酒が飲める」と喜んだ。

 窯入れ前後で重量は4分の1にまで減る。大分、由布両市の業者に1キロ当たり250円ほどで売れる。料理の炭火や室内の消臭剤をはじめアート作品の素材としても需要があり、韓国に輸出もされているという。

 「冬場に仕事があるのはありがたい」と菅一雄さん(67)。渡部組合長(69)は「木炭の需要は思っているよりもある。今後も農業や地域を守るのに役立てたい」と話している。