夢は南米・チリ代表/青森山田MFバイロン「決勝は人生変えるチャンス」

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東京都内のグラウンドで調整する青森山田のMFバスケス・バイロン選手。巧みなドリブルが注目の的=13日

 切れのあるドリブルを武器に何度も決定機を演出し、第97回全国高校サッカー選手権で強烈なインパクトを残している青森山田高校3年のチリ人MFバスケス・バイロン選手(18)。小学校3年生の時両親の仕事で来日、埼玉県のクラブで本格的にサッカーを始め、よりレベルの高い環境を求めて同校に進学した。当初から足元の技術の高さは光っていたが、利き足の左足にこだわるプレーや守備面の不安などから、レギュラーに定着したのは3年生になってから。夢に見た舞台となる14日の同選手権決勝では先発起用が濃厚。「人生を変えるチャンスだし、後悔のないようやり切りたい」と意気込む。

 バスケス選手は小3までチリで過ごし、子どものころからサッカーボールで遊んでいた。中学時代、埼玉県のサッカークラブ「東松山ペレーニア」に所属。有望選手として注目され、進路はJクラブのユースチームという選択肢もあったが、「練習の雰囲気や環境が良かった」との理由で青森山田への進学を決断した。

 しかし、入学後は全国から集まった実力者の厚い壁にはばまれ、選手権の登録メンバーにすら入れない状況が続いた。バスケス選手は当時を「私生活が甘かったり、自分のできないことに向き合う姿勢も足りなかった」と振り返る。

 プレースタイルを模索する中、転機が訪れたのは2年生の冬。帰省時に埼玉スタジアムで見た選手権決勝で、小中時代一緒にプレーした前橋育英FW榎本樹(いつき)選手(18)が決勝ゴールを挙げたのを目の当たりにし、「あいつに負けられない」と奮起した。青森に戻ると、筋力やスピードを強化する雪上トレーニングに取り組み雪解け後には右足でボールを蹴る練習を繰り返した。

 その結果、3年生になると先発に定着し、得意のドリブルで得点機を演出するなどチームに欠かせない存在に。鹿島アントラーズユースと優勝争いを繰り広げた高円宮杯プレミアリーグ2018では、ホームでの直接対決で終了間際の同点ゴールを右足で挙げたほか、12日の選手権準決勝では、同点PKにつながる縦へのドリブル突破でチームの勝利に貢献した。

 右肩上がりに調子を上げ、「今がピーク」という中で迎える14日の決勝。卒業後は、東北社会人リーグ1部・いわきFC(福島県)への所属が決まっており、「必ず日本一を取って入団したい」と誓う。

 サッカー選手としての目標はJリーガー、その先にはチリ代表入りを夢見る。子どものころからの憧れは同国代表のエースFWサンチェス(マンチェスター・ユナイテッド)。欧州のビッグクラブで活躍する祖国の英雄のように、異国の地での経験を生かして世界に羽ばたく夢を描く。