1区広中、感覚信じスパート 全国女子駅伝4年連続区間賞

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1区で高知の鍋島(39)を振り切り、第1中継所に向かう長崎の広中

 先に仕掛けたのは鍋島莉奈(高知・日本郵政グループ)だ。上り坂の全国女子駅伝1区終盤、残り800メートルからの一騎打ち。並走する広中璃梨佳(長崎・長崎商高)の息遣いを感じていた。

 迷いなくスパートを切る。でも、差が広がらない。「あれっ、ていう感じ。勝負どころと思っていたんですけど」

 広中は、事前にレースプランを描いていなかった。信じるのは、その時の感覚だ。「レース展開を冷静に判断し、行けると思ったところで行こう」。残り300メートル、たすきを外した瞬間が合図になった。「絶対に行く。他の選手のスピードには負けない」。ジャカルタ・アジア大会日本代表の想像を上回るスパートをみせた。

 「ちょっと完敗ですね。負けました」と鍋島は潔い。「広中さんはきついところで自分の力を出し切っている」。18歳の高校生に刺激を受けた様子だった。

 当初、広中は1区を走る予定はなかった。チームの打診を一度は断ったが、藤永佳子監督には「社会人になれば背負うものが出てくる。心を強く持ってほしい」と諭された。京都入り後に「先生(藤永監督)を信頼している。一緒に頑張りたい」と覚悟を決めた。

 兵庫の小林祐梨子さんに並ぶ4年連続区間賞。圧巻の走りは、来年の東京五輪、その先の活躍を予感させる。「区間賞より、自分の走りができたことがうれしい。周りを気にせず少しずつ力をつけたい」。これからも、自らが納得した道を進む。