柳ヶ浦駅に漱石の句【大分県】

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小説家夏目漱石が豊州鉄道の宇佐駅(現・JR柳ケ浦駅)で詠んだ俳句をろうけつ染めした作品を展示。左から池田大方さん、芳賀信幸さん、渡辺幹雄会頭

 「蕭条(しょうじょう)たる古駅に入るや春の夕」|。小説家・夏目漱石=写真=が120年前の正月、宇佐市の宇佐神宮に参拝した折、JR柳ケ浦駅に降り立った時の一句。同市の宇佐商工会議所(渡辺幹雄会頭)は昨年12月30日、同駅に、漱石の俳句を記した作品を飾った。地域の観光振興や市の玄関口である同駅の活性化につなげたい考え。

 作品の大きさは縦135センチ、横35センチ。池田大方さん(60)=同市四日市=が手掛けた書を基に、芳賀信幸さん(65)=同市江須賀=が白い布にろうを垂らし、濃い藍色に染める「ろうけつ染め」をした。同月13日に商工会から話があり、同27日に完成した。

 熊本の旧制第五高等学校(現・熊本大学)の教授だった漱石は、冬休みを利用して参詣。1899年1月2日の午後、豊州鉄道終点の宇佐駅(現・JR柳ケ浦駅)に着き、歩いて同神宮へ。同駅で1句、神宮で7句を詠んだ。初詣の後は四日市町まで歩いて1泊したという。

 渡辺会頭は「訪れた人に楽しんでもらおうと設置した。歴史を感じてもらえればうれいしい」と話した。