王座継承誓う大型ルーキー/弘前出身の1年DF藤原、全試合途中出場、大舞台で結果

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決勝でも後半途中出場し、前線にパスを出す青森山田のDF藤原(17)

 王座の継承は、次世代の優勝請負人に託された。全国高校サッカー選手権で、1年生ながら全試合に途中出場したDF藤原優大選手(16)=青森県弘前市出身。歴代の指導者が認める強心臓の持ち主で、ポジションを問わないサッカーセンスで3回戦に初得点を挙げ、準決勝のPK戦は決勝ゴールで貢献。優勝の瞬間はストライカー・檀崎竜孔選手(18)と抱き合い、「大舞台に強い選手に自分もならないといけない」と、成長を誓った。

 とにかくサッカーが好きで、家の中でもボールを蹴り続けた。中学時代は青森山田中に自宅から通学。電車で弘前駅に着くと既に午後9時半。それでも家に帰ると、引き戸を少し開けてボール1個分の隙間をつくってゴールに見立て、シュート練習を繰り返した。

 「早く風呂に入るように促しても『あと1本決めたら』と耳を貸さなかった」と、母・みどりさん(41)は明かす。

 中学で主将を務め、全国優勝を経験。高校に入るとすぐ頭角を現し、高校年代最高峰のプレミアリーグで2得点を挙げた。黒田剛監督(48)は「緊張することなく力を発揮できる」と、強心臓を評価する。

 激戦の準決勝は、精神的な負荷の大きいPK戦5人目のキッカーを任された。独自の間合いで確実に決め、黒田監督に「(可能性が)無尽蔵の1年生」と言わしめた。

 物おじしない気持ちの強さは、小学生の頃から周囲を驚かせた。藤原選手は6歳からリベロ津軽SC(弘前市)でサッカーを学び、監督やコーチとして指導に当たった佐藤守人さん(45)=藤崎町=は「緊張しない性格で、信頼のおけるキャプテンだった」と振り返る。

 周囲の状況を把握する視野の広さを持ち、チームを全国大会に導いた。6歳の頃から「ボールを触る時間が誰よりも長かった」と佐藤さん。弘前市運動公園の広場で、練習以外でも父・大輔さん(41)とボールを蹴り合っていた様子を今も覚えているという。

 14日の選手権決勝。藤原選手は後半28分に出場。決戦の地となった埼玉スタジアムのピッチを縦横無尽に駆け回ったが、「チームにプラスの動きができず、まだまだプレーが甘い」と痛感。来季はセンターバックが有力と言い、「ピンチで頼れる存在になる」と誓う。

 プロ志望を公言し、自らを鼓舞する。同じように青森県出身で青森山田中・高に在籍した柴崎岳選手(野辺地町出身、ヘタフェ)を意識し、「同じ道をたどっている青森の選手として尊敬している」と語る。

 来年は王者として全国から挑戦を受ける。「学年に関係なく引っ張る立場になると思うし、この経験を絶対に生かさないと」。王座防衛。それが期待のルーキーに課せられた使命だ。