特殊詐欺被害ゼロ 広報犬「空」に感謝状 松浦署

 松浦署(川本浩二署長)は昨年、管内の特殊詐欺発生が一件もなく、7年ぶりに被害ゼロを達成。本年度から独自に始めた「ワンコール運動」の浸透を図り、詐欺被害防止に貢献したとして、同署は15日、広報犬の豆柴犬「空(そら)」(雄、2歳)に感謝状を贈呈した。
 ワンコール運動とは、不審な電話などを受けた際に、警察や家族への一報を呼び掛ける取り組み。空は「ワン」の鳴き声で運動を推進する広報犬として、同署が昨年5月に委嘱。啓発イベントに出動し、注意喚起に一役買ってきた。
 同署によると、2017年の管内の詐欺被害は3件。被害額は約560万円だった。同署は「小さな自治体の管轄だからこそ一件も被害を出してはいけない」と、精力的に防犯イベントを企画して目標を達成。特殊詐欺ゼロは、県内23署では松浦署など5署だった。
 同署での贈呈式で、川本署長は感謝を伝え、空の飼い主である岩本美枝子さん(69)=志佐町=に感謝状とドッグフード3キロを贈呈。岩本さんは「お役に立てるか心配だったが、被害がなくうれしい。不審な電話があったときに家族や警察に連絡する運動がさらに広がれば」と話した。
 空の任期は3月末までで、今後も防犯イベントに参加する。

管内の特殊詐欺ゼロに貢献したとして感謝状を受けた「空」と飼い主の岩本さん(中央)=松浦署

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