「連動して体が使えるように…」ハム守護神・石川直、躍進呼んだ怪我の功名

日本ハム・石川直也【写真:石川加奈子】

14日には早くも捕手を座らせた投球練習も行う

 日本ハムの石川直也投手がクローザー2年目に向けて、順調なオフを過ごしている。千葉・鎌ヶ谷で今年初めてブルペン入りし、14日には早くも捕手を座らせて投球練習を行った。「去年の後半みたいなピッチングができたら大丈夫。スタイルは変えず、真っすぐとフォークでいきたい。このオフでレベルアップしたい」と語り、武器である直球にさらに磨きをかけるつもりだ。

 開幕から抑えを任された昨季は、シーズン途中で配置転換の後、終盤には再びクローザーに戻って結果を出した。夏場に右内転筋を痛めて1か月、戦線を離脱したとはいえ、52試合に登板して18ホールド19セーブ、防御率2.59。自己最速も152キロから156キロに更新しており、プロ4年目の22歳右腕は伸び盛りだ。

 大躍進には、けがの功名もあった。昨夏故障した際に体幹とインナーマッスルのトレーニングにじっくり取り組んだ。故障明けに投げてみると「連動して体が使えるようになりました。はまった感じです」と言う。

「(シーズン)前半は上半身と下半身がバラバラでしたが、下から連動してできるようになりました。それまでの“振る感覚”から“振れる感覚”に変わったんです」。実際、8月24日の楽天戦で復帰した後は、クライマックスシリーズを含めて16試合16回を投げて失点は2本塁打による3点だけ。21三振を奪い、1ホールド11セーブでシーズンをフィニッシュした。

 確かな手応えをつかんで臨む今季の目標は、40セーブ以上記録してのセーブ王だ。そのためには「けがをしないことが一番」と細心の注意を払う。昨夏の故障前までは「あまり重きを置いていなかった」という細かいインナーマッスルのトレーニングにも積極的に取り組んでいる。

 年末年始は山形の実家に帰省。今春大学を卒業して社会人になる同級生たちと再会して「負けないようにやりたい」と気持ちを新たにした。23歳になる今季、セーブ王のタイトル獲得と日本一に向けて、着々と準備を進める。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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