「これ以上求めるものはあるか」―オリ左腕アルバースが契約延長を決めた理由

オリックスのアンドリュー・アルバース【写真:荒川祐史】

「MLB球団から注目されるには十分の活躍」も、昨夏に契約を2年延長

 オリックスのアンドリュー・アルバース投手が、2020年の東京五輪出場への思いを母国カナダで語っている。33歳の左腕は昨年のシーズン中に契約を2年延長。2020年までオリックスでプレーしていることが決まっており、日本のファンの前でオリンピックを戦うことを願っているという。

 12日(日本時間13日)にカナダで行われた、カナダ代表チーム授賞式の基金パーティーに出席したというアルバース。「カナディアン・ベースボール・ネットワーク」によると、授賞パーティー前に記者会見を行ったという。

 記事では「カナダのサスカチュワン州ノース・バトルフォード出身、アンドリュー・アルバースはNPBのオリックス・バファローズで2018年のシーズンを9勝2敗、防御率3.08で終え、素晴らしいシーズンを送った。彼の努力により、オールスターゲームにも選出された。33歳左腕はMLB球団からも注目されるには十分の活躍をした」とオリックス1年目の活躍を紹介。そして「プロとして10シーズン中4シーズンをMLBで過ごしたアルバースは、8月に推定380万ドル(約4億円)でオリックスと2年契約を延長することを選んだ」と、昨夏のアルバースの決断についても言及している。

 アルバースは記者会見で、オフになればメジャー復帰という選択肢が出てくる可能性があった中で、なぜオリックスとの契約延長を選んだについて明かしたという。

オリックスでのプレーは「快適」「本当に楽しい時間を過ごした」

 記事によると、左腕は「(メジャーに戻る機会が得られるか)分からなかった。そうしたことは誰にも分からないことなんだ」と説明。さらに、「我々(球団と自分)はシーズン中盤に契約延長の話し合いをもち、彼ら(球団)は素晴らしいオファーを提案してくれた。彼らは自分を非常に良い待遇で扱ってくれ、快適だった。本当に楽しい時間を過ごしていた。『これ以上求めるものはあるか?』と考えた。辞退するには勿体なさすぎると感じた」とも明かしている。オリックスの誠意、やり甲斐、日本での生活の快適さなども決め手となったようだ。

 そして、来年開催されるビッグイベントへの意欲も語っている。 記事では、「春季キャンプは2月1日から始まる。アルバースは今月末に日本に戻る予定だ。ベテラン左腕は将来メジャーに戻る可能性を否定していない。野球が2020年のオリンピックで復活するため、彼は母国のためにプレーしたいと考えている」とした上で、アルバースの以下のコメントを紹介している。

「オリンピックでカナダのために戦いたい。契約書にも(オリンピックに関して)記載している。(NPBの)シーズンと重ならない時に試合があれば、母国のためにプレーできるようにした。2020年のオリンピックは東京で開催され、最高の選手たちが日本代表に選出されるだろうから、オリンピック開催時はシーズンが(途中で)保留になると思う。NPBから最高の選手が日本代表として出場するだろう。もし、我々(カナダ代表)の出場が今年決まるなら、自分がプレーできたらと思う」

 メジャー復帰も見据えているという左腕だが、当面はオリックスでの活躍、東京五輪出場が大きな目標となりそう。高いモチベーションを持って新たなシーズンにも臨むはずだ。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2