【気象コラム】スギ・ヒノキ花粉がやってきた

ピークの気圧配置は

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 今年もこの季節がやってきました。スギ・ヒノキ花粉症です。

  年が変わるとともに、鼻がムズムズし始めたという重度の花粉症の方もおられると思いますが、一般に、花粉症の症状としては、鼻では「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」が、目では「かゆみ、充血、涙」が代表されます。これらの症状が発生、重なることにより、QOL(Quality of Life:生活の質)が低下し、仕事や学業にも支障をきたします。

  では、その花粉は、どのような所から飛散してくるのでしょうか。

変色したスギ林

 晩秋から冬になると、スギ林では、葉の緑色が薄くなり、黄褐色や赤褐色に染まって見えます。この色の変化をもたらしているのが、スギの花芽です。

スギの花芽

 スギの枝を拡大してみると、枝先に黄褐色で米粒程度の大きさのものがたくさん付いているのが見えます。これが、スギの花芽(雄花)です。花芽1つにおよそ40万個もの花粉が含まれていると言われ、樹木1本あたりになると数千から数万、もしくはそれ以上の花芽があるため、花粉の数は膨大な量になります。

ヒノキの花芽

 一方、こちらはヒノキの花芽(雄花)です。スギの花芽よりは小さいですが、こちらも無数に作成されるため、飛散する花粉数も膨大になります。

 これらの花芽は、ある一定の寒さを経験した後に暖かくなると、膨らみ、裂け目が出来て、そこから花粉が飛び出します。

  花粉の飛散シーズンは、例年、早い所で2月上旬からスギ花粉の飛散が始まり、2月下旬からスギ花粉の飛散のピークを迎えます。3月中旬にもなるとスギ花粉の飛散のピークは過ぎつつありますが、早い所では、ヒノキ花粉の飛散が始まります。そして3月下旬から4月中旬にかけてヒノキ花粉の飛散のピークを迎え、ゴールデンウィーク前後に飛散終了します。

 ただ、ピークと言っても、日々の天気により、飛散量は大きく左右されます。そこで、飛散ピーク時期の天気図別に飛散の傾向を大きく3つに分けてみました。

晴天型

 ①  晴天型(高気圧に覆われて穏やかに晴れ渡る)

 朝から日差しが降り注ぎ、地表を温めて上昇気流が発生する。その上昇気流にのって花粉が舞い上がり、広範囲に多くの花粉が飛散する。

暖気流入型

 ②  暖気流入型(日本海を低気圧が東進)

 暖かい空気が流れ込み、気温が上昇。花芽が多く開き、花粉が強い風にのって、広範囲に多く飛散する。

寒気流入型

 ③  寒気流入型(主に太平洋側)

 ②の低気圧が東へ抜けた後、北からの風が強まる。花粉の供給源が北側や西側にある太平洋側では、南寄りの風から北寄りの風に変わった最初の日に多く飛散することがある。

 ピーク時期に上記のような気圧配置が予想される時には、花粉がより多く飛散することが予想されますので、しっかりと対策を行いましょう。

  受験シーズンや年度末、入学、就職などの生活環境の変化の慌ただしい時期と重なり、花粉症患者の方は大変苦しい思いをされていることでしょう。気象会社等が提供する花粉情報を利用して、しっかりと予防対策を行いましょう。また、医療機関を受診して治療をしっかりと行い、QOLを高めていただければと思います。

 (気象予報士・樋口 宣寿)