引退の巻 熊本の魂 輝いた16年

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ロアッソ熊本との練習試合でプレーする千葉時代の巻誠一郎(右)=2010年2月、大津町運動公園球技場(小野宏明)ロアッソと対戦

 2006年サッカー・ワールドカップ(W杯)代表で、J3ロアッソ熊本の中心選手だったFW巻誠一郎(38)が15日、クラブを通して現役引退を発表し、16年間におよぶプロ生活に終止符を打った。

 巻はクラブを通し、「生まれ育った熊本のクラブで最後にプレーできたことは幸せ。今後はサッカー界の発展や県民の皆さんの役に立ちたい」とコメントした。16日に熊本市内で会見する。

 巻は03年にJ1市原(現J2千葉)に入団し、身長184センチの大型FWとしてゴール前での空中戦やポストプレーなどで頭角を現した。06年W杯ドイツ大会では当時の日本のジーコ監督から代表に抜てきされ、ブラジルとの1次リーグ最終戦にスタメン出場。代表では国際Aマッチ38試合で8得点した。

 千葉に10年まで在籍した後、国内外に活躍の場を求め、14年にJ2熊本に加入。「ミスターロアッソ」としてチームを5シーズン引っ張り、攻守に存在感を示した。

 昨季はFWの皆川佑介(今季J1広島)や安柄俊(アン・ビョンジュン、同韓国Kリーグ2部水原FC)らの活躍で控えに回る機会が多く、出場は移籍後最少の25試合、ゴールは7月の甲府戦の1点にとどまった。熊本が今季初めてJ3降格する中、唯一契約交渉が長引き、動向が注目されていた。(樋口琢郎)

【略歴】まき・せいいちろう 1980年8月7日、宇城市小川町生まれ。小川中から大津高に進み、高校1年までアイスホッケーも続けた。駒大を経て2003年にJ1市原(現J2千葉)入りし、06年ワールドカップ・ドイツ大会に出場。10年からロシア・アムカル、中国・深圳、東京Vでプレーし、14年にロアッソ熊本へ移籍。身長184センチ、体重80キロ。妹の加理奈さん(36)はハンドボールのオムロン、弟の佑樹さん(34)はJ1名古屋などでプレーした。

(2019年1月16日付 熊本日日新聞朝刊掲載)