好投手・クルーバーを含む三角トレードは成立するのか

今オフに入ってからトレード放出の可能性が取り沙汰されているコリー・クルーバー(インディアンス)。ジ・アスレチックのレポートによると、パドレスはインディアンスがクルーバーをレッズへ放出してパドレスがレッズから有望株内野手のニック・センゼルを獲得する三角トレードを模索していたようだ。レッズは先発投手、パドレスは三塁手、インディアンスは外野手を欲しており、この三角トレードはそれぞれのチーム事情にフィットすると言える。この三角トレードが実現する可能性はあるのか。各チームの番記者が分析している。

MLB公式サイトでインディアンスの番記者を務めるマンディ・ベル、レッズの番記者を務めるマーク・シェルドン、パドレスの番記者を務めるAJカッサベルが共同で三角トレードについての分析記事を公開。レッズは今オフ、トレードでタナー・ロアークとアレックス・ウッドを獲得したものの、ジョニー・クエイト(現ジャイアンツ)以来となるエース級の投手の獲得を目指しており、クルーバーはそのニーズを満たす存在だ。また、パドレスは三塁手を欲しており、メジャー有数の有望株であるセンゼルは非常に魅力的な存在。レッズは内野のレギュラーの顔ぶれが固まっており、外野に回すという選択肢があるとはいえセンゼルの出場機会がブロックされていることも放出を後押しするかもしれない。

また、インディアンスはマイケル・ブラントリーやロニー・チゼンホールの退団で外野手が不足しており、パドレスのマニュエル・マーゴやハンター・レンフローといった若き主力外野手を獲得できれば理想的な補強となる。レッズもドジャースからヤシエル・プイーグとマット・ケンプを獲得したことで外野の両翼に選手が溢れており、インディアンスに外野手を提供することは可能である。要するに、レッズがクルーバー、パドレスがセンゼル、インディアンスが外野手を獲得する三角トレードが実現する可能性は十分にあるのだ。

ただし、レッズがセンゼルの放出を躊躇する可能性があり、また、インディアンスは主力野手の放出により年俸総額削減の目標をすでに達成しているため、無理にクルーバーを放出する必要がない。そのあたりの事情が三角トレード成立に向けてのハードルとなりそうだ。また、番記者たちはソニー・グレイ(先発投手)、ミゲル・アンドゥハー(三塁手)、クリント・フレイジャー(外野手)と既出の3球団の補強ポイントに合致するトレード要員を抱えているヤンキースの存在を指摘しており、今後の交渉のなかでトレードの形は大きく変化することになるかもしれない。

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