長崎県と県立大がPR動画 潜伏キリシタン遺産の背景紹介

 長崎県は15日、県立大シーボルト校(西彼長与町)と共同で世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の背景や見どころを紹介する動画「世界遺産ナナメ歩き」を制作したと発表した。各構成資産の情報発信拠点施設で来訪者を対象に放映する。
 県世界遺産課によると、来訪者に遺産への理解を深めてもらおうと、遺産全体に関する動画(約5分)1種類、構成資産に関する動画(各約3分)全10種類を制作。同大国際社会学部の金村公一准教授(情報メディア・文化科学)のゼミ生が構成、収録などを担当した。郷土史家の本馬貞夫氏と学生が対話する形で、遺産の歴史や地域の特産品などを紹介。今後は道の駅や港などでの放映も検討しているという。
 また、県は長崎大付属小で構成資産に関する授業を同日から全13回のカリキュラムで実施すると発表。4年生がフランス人宣教師ド・ロ神父について学ぶ。同課は今後、全県的に世界遺産についての教育を広めたいとしている。
 県観光振興課によると、世界遺産登録から半年間(昨年7~12月)に、上陸できない中江ノ島(平戸市)を除く長崎・熊本両県の11構成資産を訪れたのは計約49万9千人で、前年同期に比べ1・58倍に増えた。集落ごと登録された構成資産は代表的な施設の来訪者数で計算した。同課は「来訪者数の目標は特に設定していなかったが、順調な伸び。地元の人と共存しながら、長く人が来てほしい」としている。

県と県立大が共同制作した動画の一場面(県提供)

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