「藤岡に負けているとは思わない」ロッテ三木が1人で自主トレを行うワケ

ロッテ浦和球場で自主トレに励むロッテ・三木亮【写真:(C)PLM】

今オフもロッテ浦和球場を中心に1人で自主トレ

 コアな千葉ロッテファンは、新人合同自主トレが行われているロッテ浦和球場で、三木亮内野手が練習している姿を、毎年目にしているのではないだろうか。

 本人に直接聞いてみると、「1年目はケガとかがあって、手術明けでもあったので、トレーナーの人と一緒にこっちで練習をやっていた。そんなに不自由になることがなかった。ここの環境が一番練習できると思っています。マシンはありますし、土のグラウンドでノックも受けられます。ランニングも問題なくこなせます」と答えがあった。普段から使い慣れ、練習設備が整った場所で、次のシーズンに向けた準備をするのが“三木流”だ。

 選手たちの多くがケガを恐れて、温暖な場所を選んで自主トレを行っているが、三木は違った発想を持つ。

「(これまで)石垣に乗り込んだ時に、体の動きが悪いとか感じたことがないです。(石垣島は)関東より絶対に暖かい。寒いところから暖かいところに行ったら体が動きます」

 他球団の選手と合同自主トレをする選手もいるが、三木は「自分のタイプとかもあると思いますし、秋のキャンプでコーチと相談しながらやっているので、自分のやりたいことが明確になっている。1人でやった方がストレスなく、自分のやりたいことができる」と明かした。

 自主トレが終われば、2月1日のキャンプインから本格的な競争が始まる。

「2月1日から紅白戦というのは、チャンスでもあると思う。そこで結果が出れば、見方も変わってくる」

遊撃レギュラー奪取へ沸き上がる闘志

 一昨年つかみかけたショートのポジションだったが、昨年はルーキーだった藤岡裕大に奪われた形になった。

 そのためショートでの先発出場は、2017年の62試合から昨年は3試合に減少。それでも、要所で存在感を見せた。9月7日の西武戦では、打撃不振の藤岡に代わり「7番・ショート」でスタメン出場。1打席目に菊池雄星投手からしぶとくライト前ヒットを放ち、アピールした。

 しかし、翌日のスタメンに「三木亮」の名はなかった。

「どうしたら出続けられるのかなという葛藤はありましたけど、ベンチにいるこういう選手がいないと、チームは成り立たない部分もある。与えられた立場で腐らずやっていくしかない。そういう態度を出していても、自分のためにはならないですからね」

 たとえスタメンでの出場が少なくても、本塁打を放った選手とともにカメラに向かって“ドヤ顔”パフォーマンスを行うなど、悔しい思いを一切見せることなくチームを盛り上げた。その分、2019年に懸ける想いは誰よりも強い。

「去年藤岡がずっと出ていましたけど、負けているとは思わない。試合に出してもらうためには、2月1日からの実戦である程度、内容のある、なおかつ結果が出て……というのが一番ですよね」

 ショートの守備力、ここぞの場面で一発でバントを決める小技の巧さは誰もが認めるところ。自らの手で、もう一度ポジションを奪ってみせる。(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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