北方領土「ロシア人住民の利益守る」

ロシア大統領報道官

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太田清

47NEWS編集長

太田清

47NEWS編集長

共同通信社入社後、広島支局、大阪社会部、外信部、経済部、ベオグラード支局、モスクワ支局、ローマ支局などを経て2016年より現職。イトマン事件、阪神大震災、コソボ紛争、ユーゴ空爆、モスクワ劇場占拠、アフガン紛争、ギリシャ財政危機、東日本大震災などを取材。

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ロシアのペスコフ大統領報道官(共同)

 22日に予定される日ロ首脳会談を前に、「(北方領土の)主権問題は議論の対象ではない」(ラブロフ外相)などロシア外務省の強硬姿勢が伝えられているが、今度はプーチン大統領のスポークスマンであるペスコフ大統領報道官が日本に向けて厳しい発言を行った。16日公開された週刊紙「論拠と事実」(電子版)へのインタビューで、平和条約締結交渉に当たって北方領土に住むロシア人住民の利益を守ることを約束したのだ。 

 同紙はぺスコフ氏に対し「最近、(北方領土を事実上管轄する)サハリン州とクリール諸島(北方領土と千島列島)の住民から編集部に多くの電話が寄せられている。交渉の結果、住民とともにクリール諸島を引き渡す結果にならないのかという質問だ」と尋ねた。 

 これに対し、ぺスコフ氏は直接の回答は避けながらも「クリール諸島の住民に何らかの損害を与えるようなことにはならない。平和条約締結は必要で、忍耐強い作業が必要だが、こうした作業の結果が我が国の住民の利益を損なうような決定になるべきではない」と強調した。 

 サハリン州では日本への領土引き渡しに反対する集会がたびたび開かれているほか、州議会が引き渡しについて日本との交渉対象から除外するようラブロフ外相に要望することを全会一致で決めるなど、引き渡しに「絶対反対」の姿勢を強めている。 

 一方、ラブロフ外相は16日、恒例の年頭記者会見で、対ロシア制裁に加わる日本はロシアにとって「パートナーには程遠い」とした上で、日本の北方領土返還要求は「国連憲章上の義務に明白に違反している」と批判、日本は「第2次大戦の結果を完全に認めていない世界で唯一の国だ」と主張するなど、首脳会談を前にさらに強硬姿勢を強めている。 (共同通信=太田清)