横綱稀勢の里引退 「一片の悔いもなし」

負傷の代償、短命12場所

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現役引退の記者会見で涙を流す横綱稀勢の里=16日午後、東京・両国国技館の相撲教習所

大相撲の第72代横綱稀勢の里(32)=本名萩原寛、牛久市出身、田子ノ浦部屋=が16日、成績不振のため日本相撲協会に引退を届け出て受理され、年寄「荒磯」を襲名した。同日午後に開いた記者会見では、「土俵人生において一片の悔いもございません」と、目に涙をためて言った。

稀勢の里は初場所で初日から勝ち星が付かず、3日目には昨年秋場所千秋楽から不戦敗を除く連敗を8とし、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降では横綱のワースト記録を更新した。昨年九州場所では横綱として87年ぶりに初日から4連敗。同場所後に横綱審議委員会から初の「激励」が決議され、今場所は進退が懸かっていた。

引退を決断した理由について、「自分の相撲が取れなくなった。けがをする前の自分に戻ることが…」と明かした。新横綱で迎えた2017年春場所で左大胸筋と左上腕のけがを押して出場を続け2場所連続優勝。日本中を熱狂の渦に巻き込んだが、その“名誉の負傷”の代償は大きかった。

稀勢の里は兵庫県芦屋市で生まれ、2歳の時に龍ケ崎市に転居。長山中を卒業後、鳴戸部屋に入門し、02年春場所で初土俵。04年夏場所で新十両、11年九州場所後に大関昇進。17年初場所で初優勝を飾って最高位に昇進した。日本出身力士として3代目若乃花以来19年ぶり、本県関係では男女(みな)ノ川以来81年ぶりの横綱だった。横綱在位は12場所と短かった。 (藤谷俊介)