キャッシュレス化 環境整備を 五島市観光協会  13店舗でキャンペーン

 長崎県五島市観光協会は、支払いに現金を使わないキャッシュレス化の普及に向け、動きだしている。キャッシュレス決済が主流となりつつある海外や都市圏からの観光客の利便性を高め、島内での消費を喚起する狙い。今後、市内の飲食店などにクレジットカードや電子マネー決済などの環境整備を呼び掛け、対応した店舗をまとめたマップを作る構想もある。
 取り組みの第1弾として、同協会に加盟するホテルや飲食、土産物店など市内13店舗で、クレジットカードで3千円以上の買い物をした先着300人に、特製クリアファイルを贈るキャンペーンを実施している。3月3日まで、購入額が記されたレシートを福江港ターミナル内の同協会売店で見せると受け取れる。
 市内では「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録などを受け、観光客が増加。来年2月には国際ツバキ会議の開催も控え、来島する外国人の増加が予想される。同協会では先月、キャッシュレス化に前向きな市内の事業所を集め、国内外の現状や導入のメリットなどを伝える説明会も開催した。
 一方、市内でキャッシュレス決済ができるのは規模の大きなホテルや交通事業者など一部にとどまっているのが現状。店主の高齢化や後継者不足で新たな環境整備をためらう声などがあるという。
 同協会の今村安規子事務局長は「キャッシュレス化によって外国人客が買い物をしやすくなり、それだけで大きなセールスポイントになる。導入後に購買単価が上がるというデータもあり、徐々に市内に普及させたい」と話す。

五島市内でキャッシュレス化を普及させようと、特製クリアファイルを贈るキャンペーンなどに取り組んでいる今村事務局長=同市内

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