新聞労連ジャーナリズム大賞 本紙企画「カネミ油症50年」優秀賞 次世代被害 実相に迫る

 日本新聞労働組合連合(新聞労連、南彰委員長)は16日、第23回ジャーナリズム大賞の選考結果を発表し、大賞に次ぐ優秀賞に長崎新聞社の年間企画「カネミ油症50年」(同取材チーム)など2作品を選んだ。
 大賞は、琉球新報「沖縄県知事選に関する情報のファクトチェック報道」。
 ジャーナリズム大賞は、平和・民主主義の確立や言論の自由に貢献した記事を表彰する。昨1年間の掲載記事が対象で、今回の応募は8作品。本紙受賞は「安保改定50年~米軍基地の現場から」(2011年、3社合同)「居場所を探して 累犯障害者たち」(13年)がいずれも優秀賞に選ばれて以来、3度目。
 「カネミ油症50年」は、三つの連載、五つの特集、多数の一般記事などで構成。油症事件の全体像を描くとともに、直接被害者の子や孫への影響に重点を置き、次世代被害の実相に迫った。企画は継続中。
 審査では「公害問題を丁寧にフォローし課題を浮き彫りにした。公害は過去の話ではなく、今なお続き、今後も新たな運動につながる可能性がある。全国的に公害問題があまり取り上げられなくなっている中、改めて光を当てるキャンペーンだった」と評価された。

 他の受賞作は次の通り。
 ▽優秀賞 宮崎日日新聞「自分らしく、生きる 宮崎から考えるLGBT」▽第13回疋田桂一郎賞 毎日新聞新潟支局の南茂芽育記者、井口彩記者による「『過労に倒れた難病の妹』をはじめとする新潟県庁での過労死を巡る一連の報道」

© 株式会社長崎新聞社