日本代表、ウズベキスタン戦は勝たないほうがいい?その根拠とは

17日、日本代表はアジアカップのグループステージ最終節でウズベキスタン代表と対戦する。

両者は勝点6で並んで既に決勝トーナメント進出を決めているが、得失点差でウズベキスタンが首位、日本が2位となっており、日本はこの試合に勝たなければ首位通過は果たせない。

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順位次第で決勝トーナメント一回戦で対戦する相手は変わる。まずは条件を確認しておこう。

▼日本が勝利し首位通過の場合

→カタール、サウジアラビア

▼日本が引き分け以下で2位通過の場合

→オーストラリア

日本が勝利すると、同日行われるE組からカタール、サウジアラビアのどちらか、日本が引き分け以下だとB組で2位となったオーストラリアと決勝トーナメント一回戦で対戦する。

今大会は24チームへと拡大されたため、各組3位も成績上位4チームが通過する。各組1位は基本的に同3位と対戦するのだが、E組と日本が入ったF組だけは首位通過でも2位のチームとやらなければならず、どちらにしてもなかなか手強い相手だ。

森保一監督はこの試合で控え組を起用することを示唆しているものの、選手たちは一様に勝つことしか考えていないと口にしている。

選手の立場であれば当然だろう。ただここではあえて、優勝するためにどのような結果が望ましいのかを考察してみた。

Qolyのアジア担当だという編集部K氏に伺ったところ、カタール、サウジアラビアは「どちらもかなり強い」という。

カタール代表

彼らは3年後にワールドカップ開催を控えているが、自力での出場はかなわなかった。しかしこのところは非常に調子が良く、スペイン人のフェリックス・サンチェス監督のもとでポゼッションサッカーを完成させつつあるという。

今大会は初戦でレバノンを破ると、2戦目は難敵の北朝鮮を6-0と粉砕。大会前に元スペイン代表MFチャビが、カタールと日本を優勝候補に挙げていたが、それがリップサービスではなかったことを証明している。

サウジアラビア代表

昨夏のワールドカップでは見せ場を作れなかったものの、アルゼンチン人のピッツィ体制を継続させたサウジアラビア。

あれから選手はかなり入れ替わり、ベテラン選手は数えるほどのようだが、世代交代は功を奏しており、初戦で北朝鮮に4-0、続いてレバノンに2-0と強さを見せている。

日本はハリル体制だった一昨年に彼らに敗れ、昨年にはU-19代表も完敗している。ACLで浦和と対戦したアル・ヒラルがそうであったが、近年、育成年代からポゼッションサッカーが浸透してきているようだ。

オーストラリア代表

前回王者のオーストラリアだが、初戦でヨルダンに金星を献上し、苦しみながらの2位通過となった。

グラハム・アーノルド監督の現チームはポステコグルー(横浜F・マリノス監督)時代のポゼッションサッカーを継承しており、長年、日本を苦しめた高さという意味ではそれほど恐ろしくない。

また、プレミアリーグで活躍するアーロン・ムーイが大会前の負傷で外れ、司令塔の不在に悩まされている。

彼らは中東の地を苦手とする傾向にあり、その意味ではもっとも組みやすしという印象だが、苦しみながら突破したことが逆に不気味でもある。

その他は?

日本は首位通過するとドバイへの移動が必要になるが、2位通過だとラウンド16はウズベキスタン戦と同じスタジアムで試合ができ、しかもそこで勝利した場合、準々決勝まで1日多く休める(その分、準決勝から決勝までが1日少なくなるが)。

ただ首位通過した場合、同じブロックの顔ぶれはヨルダン、イラン、中国、タイなどであるのに対し、2位通過だった場合のブロックには、韓国、イラク、開催国のUAEなどが控える。先まで考えると首位通過のほうがやや楽かもしれない。

相手の視点でも考えてみよう。

勝点で並ぶカタールとサウジアラビアは直接対決で順位を決めることになるが、首位通過ならイラクと、2位通過なら日本かウズベキスタンとの対戦となる。

編集部K氏によればカタールはウズベキスタンと相性が悪く、またカタール、サウジどちらも日本は嫌がっているはずなので、普通に首位通過を狙ってくるだろうとのこと。

そうなると、現時点で得失点差で上回るカタールよりは、日本が一昨年に敗れているサウジが2位になる可能性のほうが数字上は高い。

そして、カタールと相性が良いというウズベキスタンは、今日の試合できっちり引き分け以上の結果を求めてくるはずである。

結論は…

情報を整理してみよう。

・チャビが優勝候補に挙げるほどカタールは強い
・一昨年、日本に勝利したサウジアラビアも調子が良い
・オーストラリアは日本の宿敵であるが、キーマン不在で高さもかつてほどではない
・首位通過は移動が必要だが、2位通過はそのまま滞在できる
・ブロックの山は、首位通過のほうがやや楽

これらを総合的に判断すると、日本はウズベキスタンに無理に勝つ必要がなく、もしかすると2位通過のほうがやや分があるといえるのかもしれない。

しかし昨夏のワールドカップで日本が危うくそうなりかけたように、グループ最終節のターンオーバーでリズムを崩すことはサッカー界において珍しくない。

次の対戦相手を考えながらプレーする、あるいはそれによって中途半端に戦うくらいなら、しっかり勝ちにいくなかでチームの成熟度を高めていくほうが有効といえるだろうか。

なお、対戦相手の詳細な分析については、「アジアカップ、日本代表がベスト16で当たるかも?な5カ国を解説する」を確認していただきたい。

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