<ガソリンスタンド>公設民営で維持 宮城・七ヶ宿にあすオープン 山あいの町の重要インフラ

©株式会社河北新報社

新築移転した公設民営の七ケ宿セルフSS

 宮城県七ケ宿町は老朽化した町有のガソリンスタンド(GS)を移転新築し、19日にオープンさせる。過疎と高齢化が進む町にはGSが2カ所しかない。全国でも珍しい「公設民営」方式で重要なインフラを維持し、将来にわたる経営と生活基盤の安定を図る。

 移転新築した町有GSは「七ケ宿セルフSS」。従来の町有GSがあった場所から約100メートル西側の町中心部にある。所長とスタッフ3人の計4人体制のセルフ式給油所で、ガソリンと軽油、灯油を取り扱う。

 敷地内には「便利屋商店」を併設して日用品などを販売するほか、灯油の配達や食料品などの移動販売も行う予定。

 移転新築の事業費は約1億3800万円で、自主財源や国の地方創生拠点整備交付金を充てた。町はセルフSSを、町内でもう一カ所のGSを経営する有限会社「クリキク七ケ宿」に無償で貸し付け、クリキクが運営する。

 セルフSS周辺にはみやぎ生協(仙台市)とファミリーマート(東京)の一体型店舗や多目的交流施設などもあり、にぎわい創出も期待される。

 従来の町有GSは18日に営業を終え、解体される見込み。元々は町内の民間業者が約40年前から営んでいたが、高齢などを理由に2010年に休業。町は施設を譲り受け地元の自動車整備会社に無償で貸与し、営業を再開した。古いタンクの改修には多額の投資が必要となることなどから、町は移転新築に踏み切った。

 町の人口は県内で最も少ない1324(18年12月1日現在)。高齢化率は県内最高の47.1%(同3月末現在)に上る。

 蔵王山麓にあり、寒さが厳しい町ではガソリンに加え、暖房に欠かせない灯油を販売するGSは欠かせないインフラ。町中心部からGSがなくなった場合、最寄りのGSまで10キロ以上も離れ、町民の生活や経済活動に支障を来す。

 町ふるさと振興課の松本正男課長は「県内でも特に燃料確保の必要性が高い自治体だと考えている。公設民営のGSで、住民の利便性向上や不安の払拭(ふっしょく)につなげたい」と話す。