ギネス認定の世界最古の温泉旅館(株)湯島(旧:(株)西山温泉慶雲館)が特別清算開始決定

 (株)湯島(旧:(株)西山温泉慶雲館、TSR企業コード:340107081、法人番号:5090002015009、山梨県南巨摩郡早川町湯島825、登記上:東京都中央区八重洲2-8-7、設立昭和26年1月8日、資本金1000万円、代表清算人:深沢雄二氏)は1月8日、東京地裁から特別清算開始決定を受けた。
 負債は現在調査中。

 ギネスブックに世界最古の宿と認定されている飛鳥時代の慶雲2年(西暦705年)創業の山梨県西山温泉の「慶雲館」の元運営会社。甲斐国主の武田信玄や日本統一のさなかに徳川家康も二度にわたり入湯したと伝えられ、705年の開湯から源泉は一度も枯れていないとされる。高級温泉旅館としての地盤を固め、平成12年3月期の売上高は約9億9600万円をあげていた。
 平成17年には全室掛け流しの露天風呂を設置したが、ここ数年は消費低迷や価格競争などで売上が伸び悩み、過去の投資負担が利益を圧迫。28年3月期の売上高は5億9600万円にとどまり、赤字に転落していた。
 このため29年6月1日、会社分割で新設した(株)西山温泉慶雲館(TSR企業コード:023826657、法人番号:4090001015027、山梨県南巨摩郡)に旅館事業を譲渡。当社は、29年12月7日、東京都に本社登記を移転し同月7日、(株)西山温泉慶雲館から現商号に変更。30年6月30日、株主総会の決議により解散した。
 なお、世界最古の宿「慶雲館」は譲り受けた西山温泉慶雲館が事業を継続。第53代目の当主、川野健治郎社長は「世の中の動向にまどわされず、温泉一本で経営を続けていくという教えを守り、歴史を継承していきたい」とコメントした。

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