体の狙った部位に薬 長崎大「DDS」 新産業創出プログラムに採択

長崎県内初、医薬品の実用化目指す

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 体の狙った部位に薬を届ける「ドラッグデリバリーシステム(DDS)」についての長崎大の研究プロジェクトが、科学技術振興機構(JST)の「大学発新産業創出プログラム」に採択された。3年で最大約1億2千万円の助成や、事業化に詳しい専門家の支援を受けられる。同プログラムの採択は県内で初めて。
 DDSを巡っては、同大の佐々木均教授(医療薬学)らが、標的となる組織に薬を効果的に送り届けられる微粒子を開発し2013年に特許を登録した。この微粒子で薬を包み込むことで、これまでよりも安全で効率的に薬を送り届けられるという。動物実験ではがんやマラリアなどに高い治療効果が確認された。
 ただ、医薬品を開発するには長い時間と多額の研究費が必要になる。同プログラムは、重要だが事業化は難しいこうした研究の支援が狙いで、本年度は82件の応募から同大など9件が選ばれた。
 同大は20年度末までにこの微粒子を活用する薬を絞り込み、効果や安全性などを確認する。また、ベンチャーキャピタルのQBキャピタル(福岡市)と連携してベンチャー企業の設立や、医薬品としての実用化を目指す。
 佐々木教授は「がんや遺伝にかかわる病気など難病難治の疾患に新たな治療法を提供できる可能性がある。このDDSを実用化してさまざまな薬をつくりたい。長崎に医薬品開発の新産業を生み出せれば」と意気込みを語る。

体の狙った部位に薬を届ける新手法を開発している佐々木教授=長崎市坂本1丁目、長崎大学病院