「夢はドームツアー」佐世保の大村紫真さん 女優、シンガー・ソングライターとして活動

 「国民的な女優になりたいし、ドームツアーもやりたい」
 佐世保市の大村紫真さん(15)は、インターネットや地元のイベントなどで、弾き語りを披露するシンガー・ソングライターの傍ら、福岡を中心に女優として活動し、メジャーなアーティストを目指す高校1年生。小学生から曲作りや子役の仕事を始めて以来、「努力は裏切らない」と一心に夢を追っている。
 「よく言われるんですよ。夢見がちだとか、できるわけないとか。だけど、努力してみないと分からないから、やるのみです」
 小さなころは「内気で極度の人見知り」だったという。2歳で習い始めたピアノの弾き語り曲を9歳の時、初めて作詞作曲。「音楽で気持ちを表現するのが楽しくて。今の自分の気持ちにしっくりくる曲は自分にしか作れない、と思った」と振り返る。
 同じ時期に「人見知りな自分を変えたい」と、福岡の芸能事務所兼タレント養成スクールに入った。以来約5年間、子役として、結婚披露宴で新郎新婦の生い立ちなどを役者が再現する「メモリープレイ」などで経験を積んだ。
 「どんなに緊張してもせりふが言えるように、もう頭の根っこに植え付けるくらいの勢いでせりふを覚えていた」と、努力で苦手を克服。2017年からは事務所に所属せず、オーディションなどを受けて福岡での舞台劇やイベント、インディーズ系映画、テレビ番組などに出演している。
 一方、中学2年の時に好きなアーティストのライブを見て「(歌で)こんなに感情が伝わるんだ」と刺激を受け、歌手も目標に。17年、大阪での新人歌手発掘イベントで優勝。18年は「きらきらフェスティバル」(12月)など、佐世保市での複数のイベントで弾き語りライブを披露した。
 これまでに10曲以上を動画投稿サイト「ユーチューブ」などで公開。今月8日、新曲「はなさない」を追加した。スマートフォンで視聴できるライブ動画配信アプリ「17(イチナナ)Live」での生配信も今月から開始。「(歌か演技か)何度も考えたけど、やっぱりどちらもやりたい。中途半端にできないので、(自分が)成長するしかない」と力を込めた。
 時には仕事で学校を休むこともあり、学業との両立は大変だが、その分を家で勉強するなどしてカバー。「人から言われたことでなく、やりたくてやっていることだから、人より努力するのは当たり前。母からも『勉強が優先だから、そこをやらないと応援しない』と言われている」と表情を引き締める。
 マネジャーとして支える母千代子さん(52)は「小学生のころから成績を落とさずに頑張っている。どこまでいけるかは分からないけれど、親として将来の夢を応援したい」と話す。
 今年も舞台などに出演を続けながら、歌の方では学園祭出演や単独ライブ実現が目標。紫真さんは「こうやって活動できるのが幸せ。機会があったら、ライブや舞台をぜひ見てほしい」と笑顔で語った。

「活動できるのが幸せ」と語る大村紫真さん=佐世保市

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