ヤンキース積極補強にもクローザー不在のRソックスは動じず

スプリング・トレーニング開始まで1ヶ月を切ったものの、レッドソックスのロースターには「絶対的クローザー」が欠けている。その候補の1人であったアダム・オッタビーノは日本時間1月18日に宿敵・ヤンキースと契約合意に至ったことが報じられ、レッドソックスはまたしても弱点の補強に失敗した。しかし、デーブ・ドンブロウスキー野球部門社長とアレックス・コーラ監督は、開幕までに有力なリリーバーを獲得できなかったとしても、自軍のブルペンには十分な戦力があると自信を持っているようだ。

レッドソックスが有力なリリーバーの獲得に向けて積極的に動くことができない理由が予算面の問題にあることは明らかであり、今オフはすでにアンドリュー・ミラー(カージナルス)、デービッド・ロバートソン(フィリーズ)、ザック・ブリットン(ヤンキース)、ケルビン・ヘレーラ(ホワイトソックス)、そしてオッタビーノといった有力なリリーバーが契約を決めている。ドンブロウスキーは「お金をどこに使うかを正しく評価しなければならないときもあるんだ」と語っており、リリーバーの補強よりも主力選手との契約延長を優先する模様。そして、MLB公式サイトでレッドソックスの番記者を務めるイアン・ブラウンは今季のクローザーとして4つの選択肢を紹介している。

1つ目はフリーエージェント市場に残っているコディ・アレンを獲得することだ。昨季は防御率4.70と精彩を欠いたものの、インディアンスのクローザーとして直近5年間で147セーブをマーク。市場に残る最も魅力的な選択肢の1つである。2つ目は球団内部から新たなクローザーを見つけることだ。筆頭候補はマット・バーンズとライアン・ブレイシアだが、2016年にブリュワーズで13セーブをマークしたタイラー・ソーンバーグやナックルボーラーのスティーブン・ライトも面白い存在となるだろう。

3つ目は3年前にクレイグ・キンブレルを獲得したように、トレードでクローザーを補強することだ。ただし、ブラウンは具体的な獲得候補の名前は挙げていない。そして4つ目は市場に残ったままのキンブレルと再契約を結ぶことだ。しかし、ドンブロウスキーがブルペン補強に大金を投じない方針であることを考えると、キンブレルが要求する契約条件の相場が下がらない限り、実現は難しいだろう。

コーラは「チームにはクローザーを務めることのできる投手が何人もいる。彼らを最大限に活用していきたい」と語っており、自軍のブルペンに対する自信を見せている。ドンブロウスキーやコーラの言葉から判断する限り、レッドソックスのブルペンは現時点の顔ぶれのまま開幕を迎える可能性が高そうだ。

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