「うま~か明太子で人ば幸せにしたか!」博多明太子を夢見た夫婦の物語、待望の映画化!

博多名物・辛子めんたいこを日本で初めて製造、販売した「ふくや」。その創業者・川原俊夫氏の人生をモデルとしたドラマ「めんたいぴりり」がTNCテレビ西日本で放送されたのは2013年のこと。後に博多座で舞台化もされ好評を博した人気作が、待望の映画化! 戦後の博多の街に明太子が名物として定着していくまでを描いた作品で、ドラマシリーズ同様、博多華丸と富田靖子がその創業者夫婦を演じる。1月18日の全国公開に先駆け、11日から福岡での先行上映がスタート。初日には福岡市内で舞台あいさつが行われた。

舞台あいさつには、主演の華丸、富田の2人に加え、息子役の山時聡真、増永成遥、“ふくのや”(華丸演じる海野俊之が営む食料品店)の住み込み従業員を演じる瀬口寛之、井上佳子、福場俊策、そして監督を務める江口カンの8人が登壇した。華丸は「無事にこの日を迎えることができたのは、本当に喜ばしいこと」と感慨深げにあいさつし、富田は「久々に会った“息子たち”は背がグンと伸びて男前になっていた」と頬を緩ませた。江口監督は「この映画は博多の皆さんにまず“味見”をしてもらいたかった。公開が待ち遠しかったです」と作品への熱い思いを語った。

それぞれの印象に残っている場面を問われ、出演者の中で最も多かったのは、“山笠”のシーン。撮影には実際の中洲流の舁(か)き手やエキストラを呼び、何百人という人数で実施。江口監督が「福岡出身の監督として誰よりも山笠はかっこよく撮っちゃろう」と気合を入れたシーンだったそう。3月のまだ肌寒い中、水法被に締め込み姿で水をバシャバシャかけながら撮影されたというこのシーンの迫力は、スクリーンでも本物さながらだ。

また、山笠同様に見どころとして出演者が挙げたのは、博多大吉が演じる“スケトウダラの妖精”。ほっこりと感動するストーリー展開の中、“スケトウダラ”が出る場面では、会場に必ず笑いが起きた。出演者も絶賛の美脚をさらけ出し、自転車をさっそうとこぐ場面は見どころの一つだろう。そしてエンドロールの後にもう一幕(?)。ぜひ最後まで見逃さずに。

ドラマシリーズから映画まで同じキャストのため出演者同士の絆も深まっているようで、舞台あいさつでは「家族」「ファミリー」というワードが何度も飛び出した。“ふくのやファミリー”の絆は、初めて「めんたいぴりり」を見る人も感じ取ることができるだろう。(舞台版の海野夫婦は、華丸と酒井美紀)

“福岡産”にこだわる作品だけに、今回の映画にも田中健、でんでん、吉本実憂ら福岡出身者が共演。さらには高田延彦、柄本時生、中沢裕子も出演し脇を固める。豪華キャストの意外(?)な配役にも注目だ。ほか、福岡のローカルタレントも多数出演しており、“福岡産”ならではの楽しみもできそう。華丸いわく「あらぁ~! 行こうと思ったら終わっとった」というのは福岡の気質。見逃さないよう、ぜひ劇場に足を運んでほしい。

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