横浜の簡宿、8割超で法令違反 火災受け、市が立ち入り

 横浜市消防局が市内の簡易宿泊所(簡宿)を立ち入り検査した結果、8割超で消防訓練の未実施など消防法令違反が見つかったことが18日、分かった。同局によると、すぐに人命に直結するような違反はなかったが、各施設に是正計画の提出を求める。

 中区の簡宿で4日朝、男女2人が死亡する火災が起きたのを受け、同局は中、南、神奈川各区の簡宿を検査し、18日に結果を公表した。

 それによると、123施設のうち103施設で、消防法や火災予防条例違反があった。違反で最多だったのは、消防訓練の未実施や避難通路の管理不良など防火管理に関するもの。また火災報知機や誘導灯の不良といった設備に関係する違反や防火戸の管理不良などが目立った。

 火災が起きた簡宿も防火戸につっかえをしているなど複数の法令違反が見つかったという。同局は「ただちに人命に影響する重大な欠陥はなかったが、違反を少なくするよう指導する」としている。

 また市建築局も火災のあった簡宿と同規模などの観点で、20施設に対して検査を実施。どの施設でも法令違反が見つかったという。

火災があった簡易宿泊所=4日午前8時5分ごろ、横浜市中区寿町4丁目

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