JR東日本社長、村岡新駅に前向き姿勢 「促進取り組む」

 JR東海道線大船-藤沢間で設置の検討が進む「村岡新駅」構想で、JR東日本の深沢祐二社長は18日、新駅整備に前向きな姿勢を明らかにした。黒岩祐治知事らの要望を受け、「新駅づくりが促進するよう、しっかり取り組んでいく」と語った。2019年度中に概略設計の策定に着手することで知事らと一致し、新駅の規模や整備期間など具体的な検討を始める。

 この日は黒岩知事のほか、藤沢市の鈴木恒夫市長、鎌倉市の松尾崇市長が同社の本社を訪れ、深沢社長と面会。昨年12月に新駅周辺の一体的まちづくりで合意したことを踏まえ、JRと地元自治体が連携して具体化を図る「戦略的新駅」として整備費用の一部を負担するよう正式に要望した。

 JRと3県市は、概略設計に盛り込む新駅の規模や整備期間、費用負担など具体的な内容に関する協議の場を設ける方向で一致。深沢社長は「東海道線沿線のまちづくりの取り組みを、地域の皆さまと一体となって進めていきたい」とし、県と2市で立ち上げた村岡新駅(仮称)設置協議会と「連携して対応していく」との意向を示した。

 県側の関係者は「要望は前向きに受け止めてもらえた」との認識を表明。今回の要望が「大きな節目になる」とし、約30年にわたり温めてきた構想の実現に期待を寄せた。

 3県市は新駅の整備費用について約160億円と試算しており、一部をJRが拠出した上で、残額分を県が30%、2市がそれぞれ35%を均等負担する方向で合意している。周辺のまちづくりは、藤沢の「村岡地区」と鎌倉の「深沢地区」で一体的に取り組み、駅を中心に両地区をシンボル通路でつなぐ計画。新駅を核に最先端の医療・健康分野の産業集積を目指し、新たな都市拠点を形成する方針も示している。

JR東日本の深沢社長(左)に「村岡新駅」設置を要望する黒岩知事ら=都内のJR東日本本社

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