【MLB】リベラ、ジーターの次はイチロー? 米メディアが選ぶ満票選出殿堂入り候補

マリアーノ・リベラ氏(左)とイチロー【写真:Getty Images】

今年有資格1年目のリベラに満票選出の期待も…

 全米野球記者協会の記者投票によって選出される米野球殿堂表彰者。これまで226選手の名手が選出されているが、過去に満票で選出された例は存在しない。「野球の神様」と呼ばれるベーブ・ルースですら成し遂げられなかった偉業だが、今年選出資格を手にしたメジャー史上最多652セーブのマリアノ・リベラ氏(ヤンキース)にその期待が高まっている。

 現時点では満票選出に最も近い伝説の守護神でも果たせなかった場合、米メディアでは初の満場一致選出候補としてマリナーズのイチロー外野手を挙げている。米「Yahoo!スポーツ」が特集している。

 2019年殿堂入り選手の記者投票は締め切られ、あとは1月22日(日本時間23日)の発表を待つのみだ。記事によると、事前に投票を公表した記者185人は全員がリベラに投票しているとのこと。ヤンキース一筋を貫いたクローザーの殿堂入りは「すでに既定事項」と断言している。

 また、これまで満票に迫った6人を紹介。最大の得票数を手にしたのは、マリナーズなどで活躍したケン・グリフィー・ジュニア氏だったという。2016年度に440票のうち437票を獲得。実に、99.32パーセントという史上最高得票率で殿堂入りを果たした。

 2番目は、1992年に98.84パーセントの得票率で選出されたトム・シーバー氏(メッツ他)。3位は剛腕ノーラン・ライアン(98.79パーセント・アストロズ他)、4位はジョージ・ブレッド氏(98.19パーセント・ロイヤルズ)で、ともに1999年に殿堂入りしている。

 5位は「鉄人」と呼ばれたカル・リプケンJr.氏(オリオールズ)で98.53パーセント。「球聖」と呼ばれたタイ・カッブ氏(タイガース)は6位で、1936年に98.23パーセントを記録している。

リベラの次に可能性があるのは「キャプテン」ジーターか

 並み居る偉人も成し遂げられなかった栄誉に近づくリベラだが、もし達成できなかった場合、前人未到の偉業を達成する名手は出てくるのだろうか。特集では、来年にその候補が登場すると指摘している。その候補とは「キャプテン」の異名で愛された元ヤンキースの内野手で、現在マーリンズの共同オーナーを務めるデレク・ジーター氏だ。記事では「投票者からの巨大な支持を手にしないとは考えづらい」と分析し、得票率は「最低でも95パーセント以上は固い」と予想している。

 リベラとジーターという名門ヤンキースのレジェンドでも実現できなかった場合、史上初の満票選出に期待がかかるのは、伝説の背番号51だという。

 特集では「イチロー・スズキが引退したら、彼はこの候補の筆頭となるかもしれない」と指摘。現在、メジャー19年目に向けた準備を進めているイチローは、史上2人しか達成していない新人王とMVPの同時受賞を達成。10年連続で200本安打、ゴールドグラブ賞、オールスター選出という大記録も実現している。27歳でメジャーの門を叩いた日本の誇る安打製造機こそが、史上初となる満場一致での殿堂入りになる可能性があると評価している。

 一方、現役選手ではドジャースの左腕クレイトン・カーショー投手、エンゼルスの天才マイク・トラウト外野手にも「可能性あり」と分析している。

 これまで数々の偉業を達成してきたイチローだが、引退後もレジェンドたちが成し遂げられなかった難業をクリアしてみせるのだろうか。(Full-Count編集部)

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