オリオンビールを買収方針 野村HDと米ファンド TOB実施も検討

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 野村ホールディングス(HD)と米投資ファンドのカーライル・グループが共同で、オリオンビール(浦添市、與那嶺清社長)を買収する方針であることが18日、分かった。TOB(株式公開買い付け)実施も検討しており、買収金額は数百億円に上る見通し。経営体制の強化や海外への販路拡大に取り組み、収益力を高める狙いとみられる。来週正式に発表する方向だ。

 

海外展開を強化へ

 同社の嘉手苅義男会長は本紙の取材に「相手側が検討しているが、何一つ決まっていない」と回答。一方「沖縄の企業として残さなければ」とブランドを維持していく考えを強調した。

 国内のビール類市場は酒の好みの多様化や人口減少を背景に縮小傾向が続く。野村HDらはオリオンの企業価値を高めた上で新規株式公開(IPO)などを模索するが、今回の買収を引き金に、業界再編につながる可能性もある。

 オリオンの2017年度決算によると、売上高は前期比1・3%増の262億9300万円。経常利益は3・6%減の32億7800万円、純利益は12・9%減の23億4900万円。

 ビール類の売上数量全体の8割が県内だが、前期比1・7%減と苦戦。国内市場が縮小傾向にある中、近年は海外出荷に注力し、台湾や米国、韓国、香港、中国、オーストラリアなど15カ国・地域に輸出している。今回、野村・カーライル傘下に入ることで米国やアジアなどへの販路拡大を進めるとみられる。

 オリオンは1957年に創業。今年5月にはビールの販売開始から60周年の節目を迎える。2002年にはアサヒビールと包括的業務提携を結び、県外出荷などで協力している。アサヒはオリオンの株式10%を保有する筆頭株主。野村HDなどは個人を中心に約600人いる株主から株式を買い取る一方、アサヒとの提携関係は継続するもようだ。

 野村HDは地方企業を主な対象として事業承継や経営を支援する目的で、総額1千億円のファンドを設立している。自己資金による買収は2008年のリーマン・ショックを受けて凍結して以降、約10年ぶりとなる。

 

 【ことば】株式公開買い付け(TOB) 株式を買い取る側が、株式数、価格、売買期間をあらかじめ提示し、株式市場を通さず、一括して買い取る方法。買収側は、大量の株式を一定の株価で購入できるメリットがある。

野村ホールディングスと米投資ファンドが共同で買収する方針であることが明らかになったオリオンビールの本社=롹18日午前、浦添市