カネミ油症51年 被害者連絡会を設立 13団体、一致して救済交渉

 カネミ油症被害者の全国13団体は18日、一致して国や原因企業カネミ倉庫(北九州市)などとの救済交渉に臨むため、「カネミ油症被害者連絡会」を設立した。1968年の油症事件発覚以来、被害者の全国的な統一組織が結成されるのは初めて。各団体の要望、見解を連絡会として取りまとめ、被害者の子や孫ら次世代救済、支援制度の拡充などの実現を目指す。
 19日に福岡市で開催される国、カネミ倉庫との第13回3者協議を前に、各団体の代表者らが同市内で会合を開き、設立を承認した。19日に正式発表する。
 油症被害者は、長崎県や福岡県を中心に全国各地で暮らしている。団体は県内3団体のほか福岡や関東、関西などにあるが、3者協議には独立した立場で出席しており、要望が一致せず議論が進まないこともあった。
 今後、連絡会は年2回の3者協議の前に総会を開催し、会としての総意を決める。被害者数人で構成する「世話人会」が国や原因企業との窓口となる。世話人の人選は、6月の次回3者協議までに決定。NPOなど法人格を取得することも検討するという。
 カネミ油症被害者福岡地区の会の三苫哲也事務局長(49)は「各団体が対等の立場で参加し、それぞれ活動を続けていくことは変わらないが、油症発覚から50年を踏まえ初めて一つの連絡会として発足する歴史的な意味は大きい」と述べた。

初の全国組織「カネミ油症被害者連絡会」の設立を決めた被害者団体の代表ら=福岡市内

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