キューブリックに「最恐の映画」と言わしめた伝説のサイコ・サスペンス『ザ・バニシング −消失−』が日本劇場初公開! 映画史に残る戦慄のラストに絶望する!?

1980年代末当時に凄まじいインパクトを放ち、サイコ・サスペンス映画の傑作として語り継がれながらも、なぜかずっと日本では未公開のままだったヨーロッパの作品『ザ・バニシング −消失−』が4月12日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開となることが決定した。

『ザ・バニシング −消失−』は、1988年のオランダ映画祭で最優秀作品賞受賞を受賞したほか、世界中の映画祭で喝采を浴び、30年を経た現在でも海外映画批評サイト〈Rotten Tomatoes〉で98%の高評価を獲得しているサイコロジカル・サスペンスの金字塔。

アメリカでクライテリオン社よりブルーレイが発売された際には、ソニック・ユースのサーストン・ムーアや俳優のスティーブ・ブシェミが〈クライテリオン・コレクション〉の中のフェイバリットに挙げるなど、多くの人々に強烈なインパクトを与えた作品だ。

そのあまりに絶望的で魅力のあるラストは、『サイコ』(1960年)、『羊たちの沈黙』(1991年)、『セブン』(1995年)を超えるとの呼び声も高く、巨匠スタンリー・キューブリックが3回鑑賞し、「これまで観たすべての映画の中で最も恐ろしい映画だ」と絶賛。

その“最恐の映画”が30年の時を経てついに映画ファン待望の日本劇場初公開となる。

ある日突然消えた恋人を捜して、執念と亡霊に取り憑かれたかのように次第に精神を追い詰められていく男と、自分の異常性と正常性を立証したいという欲求から、ある歪んだ〈実験〉に手を染める男。過剰な演出を排除し、ただ静かに迫りくる異様な恐怖の正体に観る者は恐ろしくも魅了される。

このたび解禁となったポスター・ビジュアルでは、謎の男の怪しい眼光が一人の女性を捉えている。その眼差しは私たちをも奇妙な世界に招くようだ。

監督は『マイセン幻影』(1992年)、『ダーク・ブラッド』(2012年)のフランス人監督、ジョルジュ・シュルイツァー。1993年にはその手腕を認められ、監督自身の手によりジェフ・ブリッジズ、キーファー・サザーランド、サンドラ・ブロック出演で本作をハリウッド・リメイクしている。

『ゴーン・ガール』(2013年)、『ヘレディタリー/継承』(2018年)など“胸糞映画”と評される作品が軒並み連ねる昨今。それらの基盤となったといっても過言ではない、映画史に残るクライマックスを目にする時が来た。

【ストーリー】7月、オランダからフランスへと車で小旅行に出掛けていたレックスとサスキア。立ち寄ったドライブインで、サスキアは忽然と姿を消してしまう。必死に彼女を捜すも手掛かりは得られず、3年の歳月が経過。依然として捜索を続けるレックスの元へ、犯人らしき人物からの手紙が何通も届き始め──。

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