デスク日誌(1/19):背筋を正して

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 憲法改正を宿願とする安倍晋三首相。年初から各場面で改めて意気込みを示している。

 安倍首相は母方の祖父・故岸信介元首相を敬愛し、背中を追う。一方、父方の故安倍寛元衆院議員を語ることは少ない。戦時下の1942年に行われた翼賛選挙で、寛氏は大政翼賛会を批判して当選した反骨の政治家だった。

 護憲派市民団体「九条の会」呼び掛け人の三木睦子さんは生前、学習会のあいさつで寛氏を語っている。

 夫の故三木武夫元首相と非戦論を語り合い、足を棒にして日本中に平和を説いたと述懐。その姿を安倍首相に「あなたのおじいちゃまはねぇ」と言って教えてあげたい-と話した。共著の「いま、憲法の魂を選びとる」から引いた。

 <もはや いかなる権威にも倚(よ)りかかりたくはない ながく生きて 心底学んだのはそれぐらい じぶんの耳目 じぶんの二歩足のみで立っていて なに不都合のことやある>。九条の会の賛同者だった詩人故茨木のり子さんの「倚りかからず」の一節に、背筋が伸びる。歴史に学び、平和を守るため、真摯(しんし)に憲法と向き合う年にしたい。 (生活文化部次長 芳賀紀行)