ロッテ、スタジアム改修効果にかかる期待

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フリーアナウンサーの節丸裕一が、スポーツ現場で取材したコラムを紹介。今回は、ZOZOマリンスタジアムにおける観客席の改修がロッテの野球にどう影響するかについて分析する。

【プロ野球ロッテ対楽天】試合終了後、セレモニーで挨拶をするロッテナインら。中央は井口資仁監督=ZOZOマリンスタジアム 提供産経新聞

今シーズンからZOZOマリンスタジアムが変わる。去年の人工芝張り替え、照明のLED化に続き、今年は観客席の増設、改修が行われる。

ダグアウトのすぐ上に設けられるダグアウトボックス、グラウンドにせり出して低い目線から観戦できるサブマリン・シート、ヤフオクドームのホームランテラスを連想させるホームランラグーンが新たに設置されるほか、既存の外野席の金網フェンスも低くなるそうで、より臨場感あふれる観戦が楽しめそうだ。

計746席の増席による観客増も期待できるが、それ以上にロッテの野球がどう変わるかに注目したい。

これまでのZOZOマリンスタジアムは球界屈指の投手有利の球場だった。ロッテのチームホームラン数は4年連続パ・リーグ最少。本拠地のフィールドの広さ、フェンスの高さに加えて、センターからホーム方向への強い風の影響を受けてきた。この風がスタンドに当たって跳ね返り、グラウンドレベルでは打者から投手方向に強く吹くため、変化球が大きく曲がり、投手有利に働く。しかも打ち上げた大きなフライは上空の逆風でホーム方向に押し戻されるわけだから、打者にとっては厄介きわまりない。

この独特の風は変えられなくても、フィールドが狭くなる効果は大きい。首位打者2度の主砲・角中も「ホームランは増えますよね。左中間、右中間の惜しかった打球がホームランになるわけだから、バッターにはプラスになる」と笑顔を見せる。さらにファウルフライが減るのも打者には有利だ。

得点失点ともに増えて打撃戦が多くなり、最後までスリリングな展開の試合が増えれば、増席分以上に観客が増える可能性も大いにある。昨季は4番に定着した井上が24本塁打99打点、中村もフル出場で39盗塁とブレイク、社会人からプロ入りしたルーキー藤岡が定位置をつかんだ。またシーズン終盤には将来の侍ジャパンの主砲と期待される安田がブレイクの兆しを見せ、今季は新人王候補に名前が上がっている。そこへ、3球団の競合の末、ドラフト1位で大阪桐蔭から藤原も入団した。

角中は「すごく才能がある若手が高卒で入ってきた。若くしてプロの恵まれた環境で野球に打ち込めることは、とても大きい。4年目の平沢(2015年ドラフト1位)も何かきっかけをつかめば相当期待できる。僕たちも刺激を受けるしチーム力は上がると思う」と彼らの成長を楽しみにしている。今回の改修も、彼ら若手野手の成長の追い風になるかもしれない。

「史上最大の下克上」と言われたロッテの日本一は2010年。翌年夏場に1軍に定着した角中は優勝旅行の経験がない。「とにかく、みんなで優勝旅行に行きたい。みんなで勝って、みんなで喜びたい。そのためには優勝する、日本一になるってことですね」。

昨年の覇者西武は投打の主力が流出するなど、まだ今年のパ・リーグの戦力図がはっきりしない。ロッテは新外国人バルガスもプエルトリコのウインターリーグでMVPと大活躍して来日するだけに、マリンガン打線の復活に期待しつつ、改修されたスタジアムに足を運んでみてはどうだろう。

節丸裕一(せつまる・ゆういち)
プロ野球実況19年目、MLB実況18年目のフリーアナウンサー。キャンプから、オールスター、日本シリーズ、Wシリーズ、日米野球、WBC、プレミア12など、野球の主要な国際大会の実況、取材多数。