この1年で欧州移籍した日本人センターバックとその評価額

日本人にとってGKとともに欧州で成功することが難しいと考えられたセンターバック。

もちろんそれは体格的なハンデによるものだが、吉田麻也の成功に始まり、昨年からはここを専門とする選手の欧州移籍が相次ぐなど、今や日本代表の最激戦区となりそうな様相を呈している。

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そこで今回は、この1年で欧州に渡ったセンターバックを『Transfermarkt』の評価額とともにおさらいしてみよう。

冨安 健洋(シント・トロイデン)

所属:シント・トロイデン(2018年1月16日~)
評価額:600万ユーロ(およそ7.5億円)

「センターバック戦国時代」幕開けの先陣を切ったのは、当時わずか19歳だったこの男だ。

「アジアの壁」と呼ばれた井原正巳氏に見い出され17歳でプロデビューを飾った188cmのDFは、今や日本人6人を抱えるシント・トロイデンと契約を結んだ第一号だった。

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移籍後、半年間での出場はたった1分とほとんど話題に上ることもなかった。しかし今季になってポジションを獲得すると、A代表デビューからアジアカップ選出と劇的に評価を高めている。

植田 直通(セルクル・ブルッヘ)

所属:セルクル・ブルッヘ(2018年7月17日~)
評価額:120万ユーロ(およそ1.5億円)

テコンドー経験者である植田は、日本人としては珍しく屈強な外国人とも“ガチンコ”でやり合える武闘派だ。

高校時代から大器として知られ鹿島アントラーズでも活躍したが、昨夏のワールドカップで出番を与えられず。成長を期して渡欧した。

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ベルギーでも当初は出場機会を得られなかった。しかし最近は3バックの右ストッパーとして継続して出場しており、逞しさを増し続けている。

若手らの急成長もありアジアカップのメンバーには選出されなかったが、いずれ求められる時が必ずやってくるはずだ。

昌子 源(トゥールーズ)

所属:トゥールーズ(2019年1月1日~)
評価額:380万ユーロ(およそ4.7億円)

昨夏のワールドカップで吉田麻也の相棒を務め、ファルカオら世界的なFWを抑え込んで称賛された昌子。

大会後のリーグ戦で負傷し3か月近く離脱していたものの、復帰後クラブ初となるACL制覇に貢献すると、それを置き土産にするかっこうで今冬、フランスのトゥールーズと契約を結んだ。

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海外移籍についてはワールドカップ後から報じられていた。この時は留まったが、昨年末に引退した小笠原満男の「誰になんて言われようと、行きたいなら迷わず行け」という言葉で決意を固め、移籍に踏み切った。

1月19日のデビュー戦ではいきなり完封勝利に貢献し上々の出だしとなった。ケガの影響で離れている日本代表への復帰も近いだろう。

中山 雄太(ズウォレ)

所属:ズウォレ(2019年1月15日~)
評価額:100万ユーロ(およそ1.2億円)

東京五輪世代で一番最初に頭角を現し、2017年に新人王に該当する「ベストヤングプレーヤー賞」を受賞した中山。

各年代の日本代表で活躍したエリートで森保監督が兼任するU-21代表でも主将を務めているが、昨年は負傷もあり所属した柏レイソルはJ2降格することとなった。

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その間、U-20で不動の相棒であった冨安が海外移籍、A代表デビューを果たし、一歩も二歩も先に行かれることに。今回の移籍はもちろん、その挽回を期すものとなるだろう。

左利きの万能DFで最近は中盤での起用も増えているが、ズウォレは今のところセンターバックでの起用を示唆している。往年の名DFヤープ・スタム監督のもとどのような成長を遂げてくれるだろうか。

板倉 滉(フローニンゲン)

所属:フローニンゲン(2019年1月15日~)
評価額:70万ユーロ(およそ8700万円)

先日、日本人として初めてマンチェスター・シティと契約を結び、サッカーファンを驚かせた板倉。

川崎フロンターレでは出番を得られなかったものの、昨年ベガルタ仙台へのレンタル移籍で急成長した21歳は、森保一監督が兼任する東京五輪代表チームでも主力と考えられている。

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大柄で空中戦に強く足元も非常に洗練されているが、何より、難しいプレーであっても何事もなかったかのように平然とやってのける姿が頼もしい。

仙台ではセンターバックとしてプレーしたものの、レンタル先のフローニンゲンは現時点でボランチでの起用を予定しているとのことだ。

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