家を売った愛硯家も!? 意外と知らない「書道用具」の話、教えます

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さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介するTOKYO FMの番組「ピートのふしぎなガレージ」。1月12日(土)放送のテーマは「書道」。硯(すずり)でゆっくり墨をすっていると、立ちこめるその香りに心が整っていくのを感じたことはありませんか? 今回は「書道用具」にまつわる歴史や意外な話を、TOKYO FMの番組の中で詳しい方に教えていただきました。
(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」2019年1月12日(土)放送より)

※写真はイメージです。

◆「1000年残る硯を目指して」製硯師、『宝研堂』4代目店主 青柳貴史さん

── 書道の道具って高そうなイメージがありますが。

ここ、宝研堂にあるのは全部、ひとつひとつ職人さんが作っている手作り品なので、どうしてもそれなりの値段になってしまいます。文房四宝と呼ばれる筆・墨・紙・硯(すずり)、すべてが天然の材料を使って作られているんです。

ただ、全部を宝研堂で作っているわけではありません。硯は宝研堂で作っていますが、それ以外は各産地で作られたものを取り寄せています。墨なら奈良県の奈良墨が有名ですね。墨は全国の90%以上が奈良で作られています。かつて中国から伝わった墨を、奈良のお寺でお坊さんが作るようになったのがその発祥です。

── 墨以外の道具はどうですか?

筆はいろんな産地があります。有名なのは国民栄誉賞の記念品としてなでしこジャパンに贈られた広島の熊野筆ですね。そのほかにも愛知県の豊橋筆、東京の江戸筆などがあります。紙は水の綺麗な山があるところじゃないと作れません。現在は山梨県や鳥取県、四国などの山間部で作られているのですが、寒い中、職人さんが手をかじかませながら、1枚1枚手作りしています。

そして、硯はピンキリです。学童向けのプラスチック製品なら100〜300円。石製の硯でも700〜800円くらいからあります。四五平(しごひら)と呼ばれるスマホくらいの大きさの硯がそれくらいから。でも、プロが使うような古硯(こけん)になると古美術の要素もあるので、200〜300万円という品もあります。

── 300万円! すごいですね!

ところが、さらに上があって、中国には有名な書家や皇帝が使った名硯(めいけん)が残っています。大事に伝わる中で使った人々の名前が刻まれた名硯は、香港や中国本土のオークションで3000〜5000万円という値段が付くこともあるんです。3000万円といえば家1軒。でも、坂東貫山という愛硯家は、蘭亭硯という硯を手に入れるために実際に家を1軒売っています。

硯を作る工程をざっくり言えば、山から石を持ってきて、それを切ってみなさんがご存知の形に成形して、刀で彫って、磨いて、最後に化粧仕上げをして完成です。ただ、相手が1億年かかってできた石なので、とにかく硬くて。機械だと力が強すぎて石にストレスを与えてしまい、目に見えない内部に傷が生まれる可能性があるので、石の凝りをほぐすようにゆっくり優しく彫っていきます。石の硯が誕生した唐代の職人は、硯ひとつ作るのに2年もかけていました。そんな時代の硯の完成度には脱帽しかありません。

TOKYO FMの「ピートのふしぎなガレージ」は、《サーフィン》《俳句》《ラジコン》《釣り》《バーベキュー》などなど、さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介している番組。案内役は、街のはずれの洋館に住む宇宙人(!)の博士。彼のガレージをたまたま訪れた今どきの若者・シンイチと、その飼い猫のピートを時空を超える「便利カー」に乗せて、専門家による最新情報や、歴史に残るシーンを紹介します。

あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。1月26日(土)放送のテーマは「南極」。お聴き逃しなく!

<番組概要>
番組名:ピートのふしぎなガレージ
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週土曜17:00~17:50(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/garage

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