日本代表がアジア杯ベスト16で対戦、サウジアラビアを読み解く3つの項目

17日に行われたアジアカップ2019・グループステージ第3節の結果、日本代表がベスト16で対戦する相手はサウジアラビアに決定した。

グループステージの3試合で2勝1敗という結果となったサウジアラビアは、果たしてどんなチームなのか?

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システム

GS第1節:北朝鮮戦 4-0 ◯

GS第2節:レバノン戦 2-0 ◯

GS第3節:カタール戦 0-2 ●

基本的な形は4-3-3だが、カタール戦では左利きのテクニシャンであるアル・シーフリをトップ下で起用する4-2-3-1を使用した。

おそらくアル・ドサリやアル・ビシらを休ませながら攻撃的姿勢を保とうとしたのだろうが、カタールを相手に中央の強みを消されてしまい、守備のミスから失点を喫してしまった。

もちろんアル・ムワラッドが前半でゴールを決めていれば全く違った展開になったのだろうが…。ただ彼は以前から決定力があるタイプではないので、想定内ともいえる。

戦術

カタール戦では外に追い出されてしまったが、本来はウイングから中に入ってくるアル・ドサリを中心としたピッチ中央での崩しを得意としているチームだ。

なぜかと言えば、そもそもアル・ムワラッドは高さがない選手であり、サブにもクロスに合わせるのが得意な駒はいない。ワイドアタックばかりをやるのは決して有効ではない。

ペースを握れば非常に強力な攻撃を見せられる。北朝鮮戦では試合を完全に試合したし、レバノン戦でも守ってきた相手を崩して見せた。

しかし、ウイングのスピードと得点力、ピッチ中央でのパスワークを抑えられると、カタール戦のように「意外とゴールが入らない」という状況になるのは容易に想像できることだ。

しかも守備陣がいくつかの大きなミスを犯し、それによって失点を喫してしまった。夏に大きく入れ替わった最終ラインはまだ不安定であることを覗かせており、日本代表にとっても狙い所になりそうだ。

注目選手は

11番:ハッタン・バヒーブリ(FW)

サイドからゴールを狙ってくるウイング。切れのあるドリブルを持っており、いい間合いで仕掛けることができれば強烈だ。

北朝鮮戦では角度のないところから美しいシュートを決めており、レベルの高さを見せつけた。

またレバノン戦ではクロスに飛び込んで2点目を決めており、その得点力を発揮。もはやサウジアラビアのエースと言える存在だ。

19番:ファハド・アル・ムワラッド(FW)

もともとストライカーであるが、圧倒的なスピードを備える反面あまり得点力がなく、ウインガーとして使われるようになっていた。しかしピッツィ監督はここに来て彼をトップに戻している。

その期待に応えるように、北朝鮮戦とレバノン戦でゴールを決めてチームの勝利に貢献している。

ただ前述したようにそれほど高さはなく、決して少ないチャンスをゴールに繋げるだけの安定感があるタイプでもない。彼のペースを崩してやれば日本に勝機は見えてくる。

14番:アブドゥラー・アティーフ(MF)

アンカーとしてサウジアラビアのパスワークを支えているMFだ。サッカー一家で育ち、兄のアハマド、アブドゥ、アリ、サクルが全員プロ選手、しかも皆似たようなプレーメーカーである。

これだけチームの重要な役割をこなしながら、カタール戦でも休ませられることはなかった。ピッツィ監督にとってどれだけ彼が信頼できる存在なのかがわかる。

後方からゲームを作るパスがサウジアラビアを支えており、前線をどう生かすかも彼次第。逆に言えば、彼の展開を遮断すれば攻撃力はかなり削がれる。

また、決して受け身になった時の守備力が高い選手ではない。日本代表にとっても鍵となる存在になるはずだ。

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