プラスチックをなくす!ユニリーバ 脱プラの取り組み

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このほど新たに脱プラスチックへの取り組みが加速した。ユニリーバは使い捨てプラスチック包装を廃止するため、プラスチックフリーの洗濯を可能にする解決策の開発をクラウドソースを通じて進めている。(翻訳=梅原 洋陽)

消費材大手のユニリーバは10万ユーロを、新たなプラスチックゼロの錠剤洗剤の開発に投資すると発表した。これにより、プラスチック汚染が深刻な問題となっている発展途上国で普及している、洗剤のプラスチック包装を廃止できるかもしれない。

ユニリーバは「プラスチックを考え直そう」がテーマのハッカソン(注)を開催した。ユニリーバの社員、先駆的なデザイナー、投資家、ベンチャー・キャピタルそして包装の専門家が集った。錠剤洗剤のアイデアは、提案された10個のアイデアのうちの一つである。ハッカソンは、One Young World(世界の若いリーダーを結びつけ、世界中で良い変革を起こすことを目的としたフォーラム)とA Plastic Planet(プラスチックを無くす重要性を世界に伝えている団体)と共同で開催された。

A Plastic Planetの共同創設者のシアン・スザーランド氏は「巨大で多国籍企業であるユニリーバのような企業が、プラスチック汚染問題に真剣に取り組んでいるという事実が伝えるメッセージは大きい。プラスチックの使用を減らし、変化を起こしていかない企業は生き残れなくなるだろう」と伝えた。

ハッカソンで提案された全てのアイデアは、マーケットでのチャンスを最大化するために、オープンソースとなっている。高い評価を受けた他のアイデアには、洗剤のサブスクリプションモデル化や、おしゃれな陶器やガラスのボトルを使うアイデア、そして、溶ける布製の洗剤などがあった。ユニリーバは、発表された全てのアイデアをさらに深めていく予定だ。

ユニリーバのこの取り組みは、同社の世界におけるプラスチック・フットプリントを減らす取り組みの一つとして行われた。2017年に同社は、全てのプラスチック包装を再利用可能、リサイクル可能、堆肥化可能にするという、業界をリードする方針を掲げた。再利用素材のエンドマーケットを創出していくために、2025年までに、少なくとも包装の25%に再利用プラスチックを使用する事を目標としている。これらの目標は実際のビジネス現場のあり方に変化を起こしている。特に、リサイクル・再利用する事を考慮したデザインが施されるようになってきている。

この取り組みが、ユニリーバのプラスチック包装に対する最初の取り組みという訳ではない。2017年、ドイツのフラウンホーファー・プロセス工学・パッケージング(IVV)と共同で、CreaSolv Processを開発した。この技術は、プラスチック包装から、プラスチックを取り出し、新たな包装のためにそのプラスチックを再利用することができる。同社は長期の収益性を、インドネシアの試験工場でテストしている。

ユニリーバはシステムに変革を起こし、2025年までに掲げた目標を達成するために数多くの共同の取り組みを行なっている。2018年10月に、ユニリーバは他の消費財大手企業と共同で、1億ドルをCirculate Capitalに出資する事を発表した。同ファンドは、汚染問題や海洋プラスチック問題への対応策を創出し、インフラを整えるための活動に投資している。そして、3年間のパートナーシップ契約をヴェオリアと結び、廃棄物管理やリサイクルのためのインフラを世界各地で整えていくようだ。最初の取り組みはインドとインドネシアで行われる。

そして11月、ユニリーバは、エレン・マッカーサー財団のコミットメントに署名し、業界を超えた様々なステークホルダーを集め、プラスチックのサーキュラーエコノミーを作り出す取り組みも開始した。ユニリーバは同様のUK Plastic Pactという、プラスック汚染に取り組み、イギリスのプラスックシステムのあり方を変えるイニシアチブにも署名している。

*注:IT技術者がチームを組み、与えられたテーマに対して、定められた期間に集中的にソフトウェアやサービスを開発し、アイデアの斬新さや技術の優秀さなどを競い合うイベントのこと。