スウェーデンの90's EMOレジェンド、スターマーケットのジャパン・ツアーがスタート! 大熱狂となった初日の大阪ライブレポート到着!

奇跡の再結成を果たしたスウェーデンの90's EMOレジェンド、スターマーケットの実に17年ぶりとなる再来日ツアーが始まった。

エモコア黄金時代の90年代にテキサス・イズ・ザ・リーズン、ミネラルらと共にシーンを盛り上げたスターマーケットは、解散以後も、ここ日本で絶大な人気を誇り、伝説のバンドとして語り継がれていた。

そんな彼らがなんと2018年8月に14年ぶりの再結成を発表し、昨年12月に母国スウェーデンはストックホルムで開催された再結成ライブで鮮烈のカムバックを果たした。

日本ツアーのサプライズ発表には、日本中のスターマーケット・ファンが歓喜し、さらには長らく廃盤となり、レコードショップなどではプレ値をつけるなど入手困難だった彼らの伝説的1stアルバム『スターマーケット』と2ndアルバム『サンデイズ・ワースト・エネミー』が、日本ツアーに合わせて再発盤CDとしてリリースされ、好セールスを続けている。

そんな盛り上がりと期待が最高潮を迎える中、さる1月19日(土)に心斎橋PANGEAで開催された来日公演初日には、来日を待ちわびた大勢のファンが会場に詰め掛け、バンドは往年の名曲の数々を披露。久々の日本で、会場は鳴り止まない大歓声と熱狂の連続となった。

スターマーケット:来日公演ライブ・レポート

2019年1月19日(土)大阪 心斎橋PANGEA

2002年の初来日から実に約17年ぶりとなる再来日を果たしたスウェーデンの90's EMOレジェンド、スターマーケット。

今回も初来日と時と全く同じメンバーだ。初来日の時、メンバーはみんな若く、ドラムのポンタスに至っては17歳の現役高校生だったのだ。

17年の時を経て、当然ながら年相応の変化を遂げていたが、目の奥には皆、変わらず音楽に対するアツいエネルギーと熱意で溢れていた。

初日の大阪場所では、ほぼソールドアウトに近い大勢のスターマーケット・ファンで溢れ、開場するやいなや、グッズ売り場には大行列ができ、ライブ前から会場は異常な熱気に溢れていた。

オープニングアクトはスターマーケットを敬愛してやまないRENAとFOR A REASONが務め、両者素晴らしいパフォーマンスで会場をしっかり温めた。

予定時刻通りに本日の主役、スターマーケットが登場。

3rdアルバム『フォー・アワーズ・ライト』収録の「カウント・ウィズ・フリクションズ」で華々しく幕を開け、続けていきなり2nd『サンデイズ・ワースト・エネミー』収録の大名曲「キャリー・オン」が始まった途端、待ってましたとばかりにファンらは大熱狂し、モッシュやダイヴが続けて発生、そしてサビの“キャリー・オン!”と唄うパートでは会場のほぼ全ての人が拳を挙げて、シングアロングをしていた。そう、この光景を待っていたのだ! 17年という長い歳月でたまった想いと愛をファンたちは拳を突き上げてぶつけていた。ステージ脇で見てる共演者たちもその想いは同じく、みな拳を突き上げ泣いていた。こんなにアーティストに愛されるバンドはなかなかいない、改めてそう実感させられた。

ライブの前半は、初期作品の楽曲がバランスよく配置され、ライブ中盤に差し掛かるところで、1stアルバム『スターマーケット』収録の大名曲「アンバー」が披露され、初期からのファンであろう野郎どもが一語一句口ずさんでいたのとても印象的だった。

ライブも後半に入り、「カミング・フロム・ザ・コールド」等、比較的落ち着いたメロウな楽曲達が披露され、改めてこのバンド多彩さに驚かされたが、やはりフレドリックとパトリックという二人の天才的なソングライターがいるというのは、このバンドの最強の強みであろう。

本編最後では、「レピティション」、「エヴリバディズ・ゴーン」と畳みかけ、ラストの「セイフバイユー」では何か全てのものを浄化するように、フレドリックのエモーショナルなヴォーカルが会場に響き渡り、本編の幕は閉じられた。

鳴り止まない大歓声の中、再びアンコールでバンドが笑顔で登場し、パトリックが「この曲はライブでは初めてやるんだ」と言って始まったのが隠れ名曲「エンドレス」。“もうすぐ夏が終わるのが悲しくないかい?”とパンキッシュなサウンドにのせてメロウに唄う最高のチューンだ。

アンコール最後にはファーストアルバムの1曲目「ユア・スタイル」が披露され、最後の力を振り絞り大合唱するファンらに囲まれ、本公演の幕は閉じられた。17年のブランクなど一切感じられない、キレッキレの演奏。しかし何よりも楽曲自体が本当に素晴らしく、たくさんの名曲をかけるというのはすごい強みだと思った。これだけ会場のみんながどの楽曲も歌っているというのが何よりの証拠だ。

ツアーはまだ始まったばかり。この奇跡のツアーは絶対見逃せない。[テキスト:Hajime Takei(TOY GUN RECORDS)/写真:宇都宮 勝]

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