茨城県内公立校教職員 懲戒多発に危機感 本年度22人 根絶対策実らず

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公立学校の教職員の不祥事が後を絶たない。2018年度の懲戒処分者数は22人(21日現在)に上り、16年度の21人を抜いて過去10年で最多を更新した。茨城県教委は不祥事根絶の対策に躍起となっているが、成果として表れておらず、深刻さは増しているのが現状だ。事態の改善に向け、全教職員に教育長名で「緊急メッセージ」を発信したほか、緊急会議を開くなど危機感をあらわにしている。

▼非常事態

本年度の不祥事内訳(監督責任を含む)を見ると、学校徴収金関連9人▽体罰3人▽わいせつ3人▽窃盗2人▽飲酒運転1人▽交通事故1人▽住居侵入、窃盗未遂1人▽信用失墜行為1人▽不適切な指導1人。このうち、窃盗や強制わいせつなどの逮捕者が延べ6人に上るほか、講師や臨時教員も7人と多くを占める。

歴代最多の処分者数は、学校で管理する団体費の不正流用で多くの管理職が監督責任を問われ処分を受けた06年度の26人で、それを抜きそうな勢いだ。

事態を重く見た県教委は昨年12月25日付で、県内の全教職員約2万5千人に対し柴原宏一教育長の「緊急メッセージ」を発信。「教育の根幹が大きく揺らぐ非常事態」と断じ、教職員一人一人の意識改革や学校組織としての対応を求めた。同27日には県立学校の講師ら臨時教職員を対象に緊急の研修会も開催した。

▼“特効薬”なし

県教委は不祥事根絶を目的に、(1)全ての公立学校に設置したコンプライアンス推進委員会への外部人材活用(2)若手や中堅職員が企画運営するボトムアップ型研修の導入(3)懲戒処分の公表基準拡大(4)飲酒運転の処分厳罰化-など、各種対策に取り組んでいる。

最近はインターネットを活用した「eラーニング研修」を導入したほか、実際に起こった不祥事の原因や背景を研究し、学校現場にフィードバックする取り組みも始めた。しかし、対策の強化や再三にわたる注意喚起とは裏腹に、不祥事は後を絶たず、「思うような成果につながっていない」(県教委)のが現状だ。

柴原教育長は「不祥事ゼロが大前提」とし、これまでの取り組みを検証するとともに新たな解決策を検討していく考え。一方で、不祥事根絶の“特効薬”はないとされるだけに、「地道な積み重ねが大事。あらゆる手段を尽くし、繰り返し訴えていくしかない」としている。 (朝倉洋)