石井裕也『町田くんの世界』岩田剛典、高畑充希、前田敦子ら集結!主演は新人2名を抜てき

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左上から、細田佳央太、関水渚、岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、松嶋菜々子、北村有起哉 - (C) 安藤ゆき/集英社 (C) 2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

 安藤ゆきの同名コミックを石井裕也監督が実写化する『町田くんの世界』の出演キャストが発表され、主演をオーディションで抜てきされた細田佳央太関水渚が務めることが明らかになった。ほか岩田剛典高畑充希前田敦子太賀池松壮亮戸田恵梨香佐藤浩市北村有起哉松嶋菜々子ら豪華な面々も顔を揃える。

 2015年から2018年まで「別冊マーガレット」にて連載されていた人気コミックを実写化する本作では、アナログで不器用、勉強も運動も不得意ながら人間が好きで、周囲の人間からも愛されている男子高校生・町田くんの日常や恋が描かれていく。愛は知っているものの恋については何もわからない主人公の町田くんと、彼に思いを寄せるも振り回されっぱなしのヒロイン・猪原奈々を、約1,000人のオーディションから抜擢された新人の細田と関水が演じる。

 オーディションを経て新人を起用したことについて、プロデューサーの北島直明は、少女マンガ原作として等身大の演じ手でやりたいという思いがあったと説明する。「恋が何かを知らない町田くんという特異なキャラクターを作り上げるためには、パブリックイメージを持っていない新人が必要だと感じていました。そして、彼に応えるヒロインは、演技経験もないほうが、町田くんへのリアクションが生きるのではないか。何より不思議な魅力を持つ新人を主演に抜てきすることができたのは、石井裕也への信頼があったからこそです」

 そんな中、オーディションの段階で異彩を放っていたという細田について石井監督は「映画に人生を捧げられる人だな、この人と組めば間違いないと16歳に思わされた。クールだけど熱いものを秘めている」と感じ、主人公への起用を決意したという。「町田くんという主人公は、愛を知っているけど恋は知らない。つまり博愛ともいえるような彼の理屈をどう考えるかということを考えました。そこには人間味が必要なのだと感じて、人を好きになる力や生命力みたいなものをゴールに設定しました。そうしないと絵空事になってしまって、映画として成立しないということを感じたんです」

 そして、若い2人の恋模様を脇で彩る出演者たちも豪華な顔ぶれとなっている。町田くんと同じ学校の高校生役を岩田、高畑、前田、太賀が担う。そして、聖人のような町田くんが暮らす日常とは対比的な卑俗な世界に生きる、週刊誌記者・吉高を石井作品の常連でもある池松が演じる。さらに、その妻役に戸田、町田くんの両親役に北村と松嶋、吉高の上司役に佐藤が名を連ねる。

 石井監督も「新人が軸にあって、彼らが輝きを放つためには誰がよいか。そう考えたとき、打てば響く芸達者な人たちばかり」と信頼を寄せる布陣が揃っている。そして「高畑さん、前田さん、池松さんはプライベートでも仲が良く、共演者同士も共演した経験があって横のつながりもある。切磋琢磨しながらやってきた人たちなので、自然に次々と連鎖反応しておもしろいものになっていった」と語る。

 また、一方で俳優陣に新たな刺激をもたらす意味合いもあったとのことで「彼らも新人と対峙したときには危機感を覚えるはずなんです。自分たちの引き出しにはない反応や間で芝居をすることで、お互いによい刺激になっていくのではないかという期待もありました」と口にしている。

 さらに、石井監督が「さまざまな意味で冒険的な映画」と称する同作では、35ミリフィルムで撮影が行われたことも大きな特徴だ。これは新人を主演に起用したことが影響しているとのことで「映画のことをまだあまりわかっていない新人をフィルムで収めたいという気分があったんです」と明かす。「つまり、一回生のおもしろさ、偶発性を一発で仕留めようとしたんです。今ここでみんなの解答を出すんだという意識があった」と熱く語る。

 映画の公開は6月7日。脚本を『たまこちゃんとコックボー』などの監督作もある片岡翔が石井と共同で担当した。(編集部・大内啓輔)