【ひろしま男子駅伝】初優勝した福島県チーム監督の安西秀幸さん(33) 「王国」の誇り胸に頂点

©株式会社中国新聞社

 アンカーの相沢晃選手(21)=東洋大=がトップでゴールテープを切ると、そわそわしていた表情がパッと明るくなった。「憧れの福島県代表として勝てたのが何よりうれしい」。就任3年目でチームを頂点に導き、選手たちに5度胴上げされた。

 選手として輝かしい実績を誇る。福島・会津高から駒大に進むと、2008年に主将として箱根駅伝で総合優勝を経験。JALグランドサービスを経て加入した日清食品グループでは、12年の全日本実業団対抗駅伝でアンカーを務め、チームの2年ぶりの優勝に貢献した。

 ひろしま男子駅伝には高校時代から計4度出場したが、うち2度はJALグランドサービス時代に千葉県代表として。佐藤敦之や今井正人ら実力者の分厚い壁に阻まれ、なかなか福島県代表の座をつかめなかった。だからこそ、この大会に出て、福島で勝つことに人一倍こだわり続けた。

 「選手は30歳で一区切り」と考えていた13年12月、全日本実業団対抗駅伝に向けて調整中に左ふくらはぎの肉離れを負った。「まだやれる自信はあったが、これが区切りかな」と、29歳で現役引退。15年春、会津若松市にある農業資材を販売する家業の「安西商会」を継いだ。「福島の選手として全国一になる」目標はかなわなかった。

 夢は終わらなかった。選手時代のキャリアを買われ、17年から指揮を執る。「駅伝王国福島」の誇りを選手に植え付け、28位、9位と着実に順位を上げた。そして優勝候補に挙がった3度目の今回、選手時代にかなわなかった悲願がついに成就。「監督という実感はないが、(選手時代の)二つの優勝よりうれしい」

    ◇

 天皇杯第24回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会(ひろしま男子駅伝=日本陸連主催、中国新聞社、NHK共催)は20日、広島市などで行われました。

安西秀幸さん