ニホンカモシカ、餌求め人里に? 高森町で目撃相次ぐ

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工藤進二さんが自宅近くで撮影したニホンカモシカ=3日、高森町(提供写真)

 国の特別天然記念物「ニホンカモシカ」が熊本県高森町の山間部、草部地区の民家近くで相次いで目撃されている。専門家は急増するシカに餌場を追われて人里に下りてくるようになったのではないかと指摘する。

 3日、同町永野原の町道沿いで、近くに住む農業工藤進二さん(70)が1頭を発見し、スマートフォンで撮影した。工藤さんは、その後も付近で数回目撃。高森町教育委員会の田中忠教育指導員は「10年前までは人里で見かけることはなかった」と話す。

 ニホンカモシカはウシ科の日本固有種。熊本、宮崎、大分の3県の合同調査では、九州での生息数は1994~95年が約2200頭だったのが、2011~12年は約810頭に減った。県内には約50頭が生息すると推定される。

 森林総合研究所九州支所(熊本市)の安田雅俊森林動物研究グループ長は「シカに餌となる植物を奪われたニホンカモシカは、生息域が標高の低いところに移動した」と指摘。「病気などで弱っている場合は市町村の教育委員会に連絡してほしい」としている。 (田上一平)