幸福な老い(8) ~お金は人のために使う~

福島県楢葉町

©株式会社パブリカ

瀬谷介護保険係長:
幼い頃、祖父母からお小遣いやお年玉をもらったことは、なつかしい思い出です。年金収入から工面してくれていたのだと、今になって気づき、感謝もひとしおです。

地域包括支援センター職員 江尻さん:
お金の使い方は人によってさまざまですが、より幸福度が高いのは「人のためにお金を使うこと」と言われています。(意外ですよね!)

「人のためにお金を使って幸福感を得る」とは、どういうことなのでしょう?

たとえば父の日や母の日にプレゼントを贈ると、両親は喜んでくれますよね。
人はだれかに「喜んでもらえた」と思えた時、自分自身の存在を肯定することができます。「自分はここにいていいんだなぁ」と安心するのです。これは、集団社会の中に生きる人間にとってとても大切な本能的要素で、これがないと精神のバランスが崩れてしまいます。

また、冠婚葬祭やお中元・お歳暮、旅行のお土産なども人のためにお金を使うことですが、これらは人間関係やつながり、信頼などを築いて維持する上で大きな役割がありますし、地域コミュニティの助け合いへもつながっていきます。(使ったお金の価値は、実際のところ、金額より遥かに高くなりますね!)

そして何より、人のためにお金を使える気持ちが持てる、自分の心の余裕が幸福感をもたらしてくれるのです。
ですから、ずっと欲しかったブランドのバッグが買えたときは幸せな気持ちになりますが、こうした自分ひとりで完結してしまうお金の使い方は、幸福という観点からみると、少しもったいないと言えるかもしれません。

人が喜んでくれた時に得られる自己肯定感と、自分の心の余裕が、私たちを「幸せ」と感じさせます。だから、瀬谷係長のおじいさんおばあさんも、かわいい孫にお小遣いをあげられることを、きっと幸せに感じていらしたと思いますよ!

「その他の消費支出」の内訳をみると、若い世代にくらべ、「交際費」が1.91倍と高くなっており、子や孫の世帯への贈答品・祝い金などが高くなっています。
消費支出の構成比:世帯主が65歳以上の二人以上の世帯(高齢者世帯)(平成28年家計調査)