明治43年の中国新聞 庄原の民家で見つかる

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 広島県庄原市の民家で、今から1世紀以上前の1910(明治43)年12月の中国新聞の朝刊が見つかった。ほこりよけに木箱の上に敷いていたと見られ、別の場所へ家を建て替えて移った約40年前、木箱と一緒に運んだらしい。家主の夫婦は、偶然の重なりで再び日の目を見た古い新聞に驚いている。

 古新聞が「発見」されたのは、同市三日市町の小田千秋さん(72)、和江さん(71)の夫婦の自宅で、和江さんの実家でもある。2人は昨年12月中旬、米袋を積んでいる離れの小屋で荷物を整理していたところ、木箱の上に敷かれた、茶に変色した紙の束のようなものを見つけた。

 中を開くと、「希有(けう)の大賊逮捕」「口北村の放火」などの見出しが並ぶ12月7日付(6ページ)と8日付(8ページ)の朝刊だった。イラスト付きのユニークな広告なども掲載している。和江さんは「当時の社会の雰囲気が分かって面白い」と興味深そうに新聞を眺める。

 木箱には土人形などを保管しており、転居前の築百年以上の家にあったという。千秋さんは「箱の上に荷物を積むため、新聞を敷いたのではないか」と推測。76年に引っ越した際にもそのまま一緒に運ばれたらしい。

 この年には大逆事件があり、和江さんの父は10歳だった。「偶然が重なって新聞が残っていたが、ごみだと思って中を開かなかったら出合えなかった。奇跡的」と喜んでいる。

自宅で見つけた1910年12月の中国新聞朝刊を眺める小田さん夫婦