『The42』は、チーム・ウェリントンに所属しているアイルランド人MFエリック・モロイのインタビューを掲載した。
エリック・モロイは1992年生まれのMF。アイルランドのウェックスフォードでプレーしたあと、2016年にニュージーランドへ渡り、その後チーム・ウェリントンに加入した選手だ。
昨年OFCチャンピオンズリーグの優勝に貢献し、そして12月に行われたクラブワールドカップに出場。残念ながら初戦で敗れたが、決勝にまで進んだアル・アインを相手にPK戦にまで持ち込んだ。
彼によれば、なんと2年前にはアイルランドでチョコレート工場に勤務していたとのこと。クラブワールドカップの感想とは、ニュージーランドで成功できた秘訣とは?
エリック・モロイ 「狂っている話だよね!(笑)
僕はカーロウ(アイルランドの街)のチョコレート工場で働いていた。それから2年後、僕はクラブワールドカップでレアル・マドリーと同じ大会に出ていたんだよ。
レアル・マドリーやリーベル・プレートのようなチームと一緒にプレーするなんて、頭をよぎったこともなかったよ」
2016年にアイルランドリーグがオフシーズンになった際、数選手とともにニュージーランドのサザン・ユナイテッドに短期間加入。
数ヶ月間のプレーで印象を残したモロイはその後強豪チーム・ウェリントンに呼ばれ、正式にニュージーランドでプレーを続けることになった。
「UEFAチャンピオンズリーグではレアル・マドリーに勝ってほしかったね。偶然にでもクラブワールドカップで数試合勝てればレアル・マドリーとプレーできる…そんなチャンスを得たほうがよかったからね。
アル・アインにはPK戦で負けてしまった。ただ、あの試合の経験は素晴らしいものだったよ。スタジアムに入った時、何万人ものサポーターがいた。まるでテレビで見たチャンピオンズリーグの夜のようだった。
そして僕は実際にその真っ只中にいた。映画のようだったよ。『こんなところに僕はいるのか』と思い、周り全てを見渡すんだ。
試合は…僕がプレーしてきた中でも最も厳しいものだった。本当にテンポが早い。スピードも速い。アル・アインの選手はとても速く、ボールを上手く扱える。
彼らがボールを失った時には混乱していることがわかった。試合中にそれを利用することは出来たが、思ったほど我々がボールを持つことはできなかったんだ」
「0-3になってから追いつかれて、PKで負けるというのは、ただただがっかりしたね。我々はアマチュアのサッカー選手だが、勝てるだけの資質があると感じた。
クラブワールドカップで活躍したアル・アインのカイオ選手は、FCポルトと交渉しているというね。
僕もこのクラブワールドカップでプレーするのが夢だった。そしてさらにプロサッカー選手になりたい」
「選手としてプレーしながらU-13~17のコーチとして働いているよ。
ニュージーランドのサッカーはそれほど肉体的ではない。アイルランドのリーグよりも長いボールは少なく、フィジカル的な問題も乏しい。
そしてここは暑いからね。いつも走っているわけにはいかない。アイルランドと同じように走ったら、後半では十分なエネルギーを持てない。いろいろな要素が関係しているのだなとわかったよ。
イングランドとアイルランドだけじゃない。地球には間違いなくたくさんの世界がある。
僕が学んだことの一つは、精神的に国外への移動に備えなければならないという点だ。独立して生活する準備、そして異なるタイプの人々と働くことができるようにだ。誰ともうまく付き合うように。
国外に移住するのならば、自分だけではなく他の人々について考えなければならない。
チームに呼ばれるということは、誰かを助けるためである。そう考えなければならないし、それは相互に有益でなければ。
自分がうまくやるためだけに行くのであれば、利己的な理由のみになる。だから多くの人々がホームシックになって帰国することになるのだと思う。
誰にも知られていない場所で暮らすことになったら、友だちを作って、懸命に仕事をしなければいけない。
文化やプレーのスタイルに合わせて自分を調整するんだ。オープンになり、学ぶことを厭わず、心を整わせるんだ。
今季終了後、僕もどこに行くのか、サッカーがどこに連れて行ってくれるのか、よくわからない。自分はただ一生懸命努力して、次の道への準備をするだけだよ」
昨年限りで発展的解消が噂されているクラブワールドカップ。マーケティングは難しいだろうが、このような選手が夢を見ていることも事実である。このままなくしてしまっていいのだろうか…。