100億円を得る小沢一郎氏、豪腕復活か。国民民主党との合流発表(安積明子)

国民民主党との合流で100億円の資金を得る小沢に、政府与党は怯えるばかりか

国民民主党の玉木雄一郎代表は1月22日に東京で自由党の小沢一郎代表と会い、両党が合流することで合意したことを公表した。彼らはかつて同じ民主党に所属していたが、小沢氏らは社会保障・税一体改革関連法案に反対し、離党届を出したため、当時の野田執行部が除籍処分にした。今回の合流は6年半ぶりの“復縁”となるはずだ。

国民民主党議員からの反発も

実は昨年の秋も、玉木代表は自由党との連携を模索したことがある。玉木氏は立憲民主党や社民党など野党の広い連携を求めていたが、それに応じたのが自由党だった。だが小沢氏が衆参両院での統一会派の結成を求めたのに対し、玉木氏が求めたのは参議院のみの統一会派結成。国民民主党の衆議院にはかつて小沢氏と袂を別った階猛衆議院議員などがいて、彼らの抵抗は無視できなかったからだと言われている。

今回も一報を聞いて、階氏はツイッターで「理念、政策を擦り合わせることもなく、野党の一部とだけ合流することはこれまでの経緯を考えるとありえない。単に誤報だろう」とつぶやいた。

立憲民主党の有田芳生参議院議員もツイッターで「これが事実なら離党するとある参議院議員から連絡がありました」と述べた。

合流で野党第一党へ

離党者が出ては何もならない。そもそも両党の合流すれば参議院で22議席から26議席となり(全員参加とすれば)、23議席の立憲民主党を上回って野党第一党になる。仮に憲法問題と原発政策で国民民主党と全く相いれない山本太郎自由党共同代表と森ゆうこ参議院議員を除いても、24議席で野党第一党だ。

そもそも参議院での野党第一党の地位を獲得するために、衆議院での勢力を失う必要はない。国民民主党のある幹部は「それはすでに織り込み済ではないか」と筆者に語ったが、現実はそう甘くないだろう。

なお両党の合流について、何より注目しているのが官邸だという。

「国民民主党の金庫には、依然として100億円の資金が残っている。小沢氏が民主党を離党して怖い存在でなくなったのは、資力を欠いたからだ。100億円の資金を持てば、この上ない力を発揮するだろう」(同幹部)

参議院選を前に、政府与党は安穏としていられない。

小沢一郎のこれまでの選挙戦歴

玉木雄一郎のこれまでの選挙戦歴

© 選挙ドットコム株式会社