4選手が殿堂入り 名クローザー・リベラは史上初の満票選出

日本時間1月23日、アメリカ野球記者協会(BBWAA)による2019年のアメリカ野球殿堂入り投票結果が発表され、マリアーノ・リベラ、ロイ・ハラデイ、エドガー・マルティネス、マイク・ムシーナの4選手が当選ラインの得票率75%を上回って殿堂入りを決めた。歴代最多の652セーブをマークし、黄金期のヤンキースを支えたリベラは史上初となる満票での選出。4選手はベテランズ委員会による選考で殿堂入りを決めたハロルド・ベインズ、リー・スミスとともに、日本時間7月22日にクーパーズタウンで行われるセレモニーで殿堂入りを祝福される。

今回の投票から有資格者となったリベラは、425人の投票者全員から票を集め、従来の最高得票率だったケン・グリフィーJr.(99.3%)を上回って史上初となる満票選出を成し遂げた。ハラデイも363票(85.4%)を集めて殿堂入りを決め、有資格初年度での殿堂入りは史上55人目と56人目に。一方、マルティネスはラストチャンスとなる10度目の挑戦にして363票(85.4%)を集めて悲願の殿堂入りを決め、ムシーナは6度目の挑戦で殿堂入りとなった(326票・76.7%)。

リベラは1995年から2013年までヤンキース一筋でプレイ。歴代最多の652セーブを記録したほか、ポストシーズンでは通算141イニングを投げて防御率0.70という驚異の数字をマークした(30イニング以上での歴代ベスト)。さらに、ワールドシリーズでは世界一を決める最後のアウトを4度も記録しており、文字通り「歴代最高のクローザー」として球界に君臨した。

ハラデイは1998年から2009年までブルージェイズ、2010年から2013年までフィリーズでプレイ。2003年と2010年にサイ・ヤング賞を受賞し、2010年の地区シリーズではノーヒッターを達成した(ポストシーズンのノーヒッターは史上2人目)。現代野球において通算200勝かつ通算勝率.650以上を記録したのはハラデイ(203勝・勝率.659)を含めて6人だけであり、「負けないエース」として活躍。残念ながら2017年11月に飛行機事故により40歳の若さでこの世を去っている。

マルティネスは1987年から2004年までマリナーズ一筋でプレイ。有資格初年度は得票率36.2%に終わり、2014年には得票率が25.2%まで落ち込んだが、ハイレベルな通算打撃成績や指名打者の地位を確立した功績に対する評価が見直され、ラストチャンスで見事に殿堂入りを決めた。通算300本塁打以上・500二塁打以上・1000四球以上・打率.300以上・出塁率.400以上をマークしたのはメジャーリーグ史上でマルティネスを含めて10人だけであり、「歴代最高の指名打者」と評価する声もある。

ムシーナは1991年から2000年までオリオールズ、2001年から2008年までヤンキースでプレイ。通算270勝は歴代33位タイの数字だが、1990年以降にデビューした選手に限れば史上最多である。サイ・ヤング賞の受賞経験はないものの、投票6位以内に9度もランクイン。ステロイド全盛時代に強豪チームの揃うア・リーグ東部地区で投げ続けながら、毎年コンスタントに好成績を残し続けた。現役最終年(2008年)に20勝をマークした投手は、1966年のサンディ・コーファックス(ドジャース)以来だった。

殿堂入りを決めた4選手以外に得票率が70%を超えた選手は皆無。次点はカート・シリングの60.9%で、ロジャー・クレメンスが59.5%、バリー・ボンズが59.1%、ラリー・ウォーカーが54.6%、オマー・ビスケルが42.8%、フレッド・マグリフ(有資格最終年)が39.8%と続く。来年はヤンキースの象徴として活躍したデレク・ジーターが登場し、有資格初年度での殿堂入りが確実視されている。

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