どうにかして!足が寒すぎる!!!
冬山は空気も澄んでいて、夏山にも負けない景色を見ることができます。特に雪の白と空の青のコントラストは、雪山でしか見ることのできない絶景の一つ。
しかし冬山の寒さはとても厳しく、行動中に寒さを感じない人でも休憩のために止まった途端、足先などが冷えてしまうことも。
そのため、冬山を楽しむためには足元の冷え対策がとても大切なんです。
救世主発見?その名も『パワーヒートソックスマルチ』
「寒さ対策に良さそうなものはないか?」編集部員が調べていると、なんだかおもしろそうな商品を発見。その名も「パワーヒートソックスマルチ」。インソールで有名なシダスジャパンが展開している商品で、サーミックという熱伝導技術を使った靴下です。
バッテリーで熱を生み出す
靴下上部外側にバッテリーを取り付け使用。バッテリーのスイッチ入れると、足先にある電熱線部分が暖かくなります。
また、スイッチを押すだけでロー・アベレージ・ハイの3段階で温度調節可能です。
バッテリーの持ちも良い
ローパワーであれば最大8時間の使用が可能。USB充電式なので、繰り返して使用ができます。
パワー:
- ロー: 6-8時間
- アベレージ: 4-5時間
- ハイ: 1時間45分-2時間15分
バッテリー持続目安時間:
- ロー:
- アベレージ:
- ハイ:
このバッテリーの他に、最大持続時間が14時間のバッテリーもあります。
※バッテリーはソックスと別売です。
高機能なX-SOCKSの機能も搭載
足をドライに保つ”ジタニット”や、靴下内の空気循環を促すことで足を快適に保ち細菌の発生を抑える”ミットラン”などの、登山にピッタリの素材を採用した高機能靴下「X-SOCKS」を採用。電熱機能以外にも、登山にピッタリの機能を持っています。
3つのフィールドで実力を試してみた
しかし、気になるのは「実際に暖かいのか」ということ。
【1】雪のない低山【2】低山の雪山【3】雪山の、3つのシチュエーションで実際に使用してみました。
【1】雪のない低山(1月の六甲山)
日の出を見るなど、日の当たらない所で長時間過ごす場面もあると思います。今回は初日の出を待つ2時間ほど、電熱ソックスを使用。
当時の気温は0℃を下回っており、雪がなくても夜の山はやはり底冷えしました。
日の出を待つ2時間、電熱ソックスの電源をON。足先に冷えを感じることなく、過ごすことができました。富士山の日の出を見に行く時に、このソックスがあると強い味方になると思います。
【2】雪が積もった低山(12月の金剛山)
雪が降る低山でも使用。登山口付近は雪はないものの、高度をあげていくにつれて徐々に雪が道を覆ってきました。
行動中は電源を入れなくても全く問題ないですが、やはり雪の上で停滞していると高度に関係なく足元から冷えてきます。
完全に足が冷えてから電源をON。するとジワジワと足が温まり、足の感覚が復活。その後も、暑くなりすぎて汗冷えしたりすることなく、食事をゆっくりと楽しむことができました。
【3】雪山(12月下旬の西穂高岳)
足が一番冷えて困るのは、やっぱり雪山。本格的な雪山での足先の冷えは、死活問題です。今回は安全面に配慮し、電熱ソックスの上にウールソックスを一枚履いて使用しました。
停滞中に電源を入れると、すぐにふわっと足先が温かくなりました。正直なところ「めちゃくちゃあたたかい!」とまではいきませんでしたが、寒さを感じない程度にほんのりと暖かさを実感。
使用中は、ライトで電源のオンオフや温度の強弱が確認できるのがよかったです。
使用前はバッテリーの重みで靴下がずり下がるかと思いましたが、靴下がずり下がることもなく気になりませんでした。
小屋で泊まっている時や、テントシューズの代わりに使ったりできるといいな、という印象です。
まとめ
①劇的に暖かいわけではないが、ふわっとした暖かさは雪山でも感じる。
②雪山での単独での使用は未知数。ウールとの合わせ技であれば十分に使用できた。
③長時間止まっている時の冷え対策としては、問題なし。
※ー20℃などのコンディションでは、今回テストを行っておりません。
気になる点を聞いてみた
なんだか良さそうな商品ですが、気になる点もちらほら。シダスジャパンの方に聞いてみました。
Q: 購入するのはどういう登山をする人が多いですか?
A: レベルは様々です。冷え性の方であれば低山でご使用いただいている方もいますし、槍ヶ岳を登る時に使用されたという方もいると聞いております。サーミックソックスは、靴との緩衝なくスマートに暖かさを得られるのがポイントです。冷えが理由で外でのアクティビティを思い切り楽しめない方へ、解決策としておすすめしております。
Q: 洗濯はどうやってやりますか?
A: やさしく手洗いすることをおすすめいたします。
Q: ヒートソックスマルチに保証などはありますか?
A: 永久保証はありません。
Q: ロウ(Mode 1)、アベレージ(Mode 2)、ハイ(Mode 3)の温度は何℃ですか?
A: 環境によって左右されるため、Mode 1が+7℃、Mode 2が+15℃、Mode 3が+20-25℃というように表現しております。
Q: テント内で寝ている時に使って、低温火傷になりませんか?
A: 低温やけどに関しては今のところ事例はありません。ただし、ご使用の際はご注意いただければ幸いです。
とにかく高機能な暖かいソックスが欲しい人に!
最初は若干疑いながらの使用でしたが、実際に使用すると「ふわっと」足を温めてくれるのは、寒い冬山を楽しむためにはかなりありがたい機能です。
価格がソックス12,500円、バッテリーが19,000円なので合計31,500円と一般的な登山用ソックスに比べると価格は高め。
足元の冷えをとにかくどうにかしたい、冬でも快適に登山を楽しみたいという方は、一度検討してみる価値があるアイテムです。