全線フル求め意見書案 長崎県議会整備特別委まとめる

 県議会九州新幹線西九州ルート整備特別委は23日、西九州地域の発展のため、長崎ルートについて全線フル規格での整備実現に向け国に働き掛けるよう県に求める意見書案をまとめた。2月20日開会予定の定例会に提出する。
 同ルートを巡っては、導入予定だったフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)が開発の難航から白紙となり、与党検討委は全線フルとミニ新幹線に絞って協議している。佐賀県側の区間である新鳥栖-武雄温泉について、同県は地元負担増からいずれも難色を示している。
 意見書案では、ミニ新幹線について、工事期間中の輸送力低下などを指摘。その上で、フル規格で整備することが「西九州地域の発展に最も寄与する」とし、早期に整備方針を決定するよう求めた。
 建設費の負担軽減についても要請。国が開発を進めていたFGTの導入が困難になったことを指摘し、国の責任で地方負担の軽減対策を取るよう促した。長崎-武雄温泉間の建設費の増額分についても、過度の追加負担が生じないよう、十分な財政措置を取ることを求めている。

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