森村誠一が明かす!「終着駅」シリーズ・牛尾刑事には実在のモデルがいた!?

テレビ朝日系では1月27日に、森村誠一ミステリースペシャル「終着駅牛尾刑事50作記念作品~荒野の証明」(午後9:00)を放送する。「終着駅」シリーズは、1990年に「土曜ワイド劇場」でスタート。寡黙にして実直、執念の捜査で事件の奥底に潜む真実を探る、新宿西署のベテラン刑事“モーさん”こと牛尾正直が活躍する、森村誠一氏原作の刑事ドラマ。今回、ドラマシリーズ第50作目となる記念作のオンエアを前に、森村氏から祝福のメッセージが寄せられた。

同シリーズは、第5作目(96年)から片岡鶴太郎を主演に据えて本作が第34弾となり、牛尾刑事が週刊誌記者・川村冴子(水野真紀)と共に事件の謎を解く「終着駅の牛尾刑事VS事件記者・冴子」シリーズの16作と合わせると、本作が牛尾刑事が登場する50回の記念作となる。87年1月刊行の小説「駅」で牛尾刑事が原作に初めて登場してから30年以上描いてきたキャラクターについて、森村氏は「牛尾刑事は、私がホテルマンをやっていた時に知り合った元刑事の牛尾さんからきています。実在の牛尾さんに私はいろいろ教えてもらうことが多かったのもあり、最初から愛着のあるキャラクターでした」と打ち明け、23年にわたって牛尾刑事を演じてきた片岡には「片岡さんの出る映画やテレビをよく見ていたので、牛尾刑事を演じてもらえたのは光栄でした。撮影現場にうかがったことも良い思い出です。私の原作を丁寧に読み込んでくださったのもうれしかった」と感謝の言葉を贈った。

そして、池広一夫監督に対しても「私の作品を非常によく理解してくださっていて、そんな方が長年シリーズの監督をしてくださったことに心から感謝しています。撮影現場でもいろいろな話をして、彼には大変親しみを感じています。池広監督の作品は大好きで、彼が作った映画やテレビは全部見ています」と全幅の信頼を寄せ、「『終着駅』という言葉を聞くと、芭蕉の『旅に病んで夢は枯野をかけ廻る』という句を思い出します。1人の人間として、作家として、いつも自分は『途上だ』と思ってやってきているので、『終着駅』には決して到達し得ないという気持ちと、それゆえの憧れを込めています。そんなシリーズが多くの方に愛されて、ここまで長く続いていることに原作者として深い感動を覚えます」と「終着駅」シリーズへの熱い思いを明かした。

記念すべき50回スペシャルで牛尾刑事が挑むのは、大手繊維メーカーの創業記念パーティーの会場で絞殺死体が発見される事件。しかし、捜査を始めた牛尾たちのもとに、本庁の捜査二課から女性係長・関川響子(高島礼子)が乗り込んでくる。響子は、詐欺や汚職事件を扱う二課の捜査は秘密保持が原則だとして、自分たちの手の内を全く明かさず、新宿西署の面々と対立。日に日に不協和音が高まっていく中、牛尾はある失踪事件との関連に気付く。

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